「調査済み」と「保険付き」は別の話です
家を点検してもらえば、瑕疵保険も付くのでしょうか。実は、調査しただけでは保険に入れません。保険まで使うつもりなら、依頼先を選ぶ段階で伝える必要があります。
売主が受ける意味は「問題のない家」と宣伝することより、買主に家の状態を示し、修理や価格の話を契約前に進めることです。
費用6万円からで、何が分かるかを先に確認します
建物状況調査は、国の登録講習を修了した建築士が、構造や雨水の浸入に関わる部分を目視・計測等で調べます。国土交通省の手引きの目安は、1〜3時間、費用6万円程度からです。
仮に売値2,500万円・調査費6万円なら、費用は売値の0.24%です。ただし、これを払えば値下げを防げるという計算ではありません。調査範囲と、結果を売却にどう使うかで判断します。
| 確かめたいこと | 調査での扱い |
|---|---|
| 骨組み・雨漏りに関わる劣化 | 主な調査対象 |
| 給排水設備・基礎の地中部分 | 基本の対象外。追加調査の可否を聞く |
| 家に不具合が一切ないか | 全ての瑕疵がないことの保証ではない |
細かな範囲は国土交通省Q&Aで確認できます。「調査できなかった」場所もあるため、報告書の結論だけでなく、その欄も読みます。
保険まで考えるなら、最初に登録検査事業者へ頼みます
個人間売買の既存住宅売買瑕疵保険は、売主本人ではなく、保険法人に登録した検査事業者が加入します。検査と保証がセットの仕組みです(住宅瑕疵担保責任保険協会)。
対象は原則、新耐震基準に適合した住宅です。古い住宅でも、耐震基準適合証明書などで条件を満たせる場合があります。「築年だけで対象外」と決めず、書類を見てもらいます。
国交省Q&Aでは、調査できなかった部位は再調査、劣化がある部位は修補後の再検査が必要とされています。だから、見積もりは基本調査だけでなく、追加検査・修補・保険の費用まで分けてもらいます。
買主への説明も「調査を受けました」で止めず、「何が確認できたか」「保険に加入できる条件か」を報告書と一緒に伝えます。
【注意】不具合が見つかったら、隠すより契約の扱いを決めます
民法572条は、責任を負わない特約があっても、知りながら告げなかった事実については責任を免れないと定めています(民法)。
ただし、調査結果に載せれば自動的に責任がなくなるわけでもありません。修補して売るのか、現状を説明して価格や引渡し条件に反映するのかを、契約前に整理します。
既に知っている雨漏りなども、調査の有無にかかわらず伝えます。責任と契約条項の関係は契約不適合責任の解説で確認できます。個別の契約判断は、不動産会社や法律の専門家へ相談してください。
依頼前に、不動産会社へ3つ聞けば進められます
- 調査だけか、瑕疵保険までか。希望に合う検査事業者を手配できますか。
- 基本料金に何を含み、調査できない場所や追加費用はどこですか。
- 指摘が出た場合、修補・告知・売値をどう整理して買主へ説明しますか。
木造戸建てで重要事項説明の対象となる調査は実施から1年以内、鉄筋コンクリート造等の共同住宅は2年以内です。売却の時期も伝え、依頼日を決めます。
調査の依頼先は、保険を使うか決めてから選びます。 続けて読むなら、一戸建て売却の注意点です。
よくある質問
Q. 調査は必ず受けなければいけませんか?
義務ではありません。調査範囲・費用と、売却で使う目的を比べて決めます。
Q. あっせんを受けると追加の手数料が必要ですか?
媒介報酬と別のあっせん料は不要です。調査そのものの費用とは分けて考えます。
Q. 知人の建築士に頼めますか?
登録講習の修了が必要です。保険を希望するなら保険法人の登録検査事業者へ依頼します。

