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売却の方法

不動産売却の契約不適合責任とは?通知期限・免責の限界と告知書の書き方

シンク下の排水管と水染み、点検用の懐中電灯(写真風のAI生成画像)
写真風のAI生成画像です。実際の不具合や責任の所在を示す写真ではありません。

「告知書に書けば責任はなくなる?」という誤解から確認します

「雨漏りを告知書に書けば、引渡し後は責任を負わないの?」。契約不適合責任は、引き渡した物件が契約で約束した内容に合っているかで判断します。記載しただけで自動的に免責されるわけではありません。

たとえば過去の雨漏りを説明していても、売主が引渡しまでに修理すると約束したなら、その約束を守る必要があります。不具合の説明と、修理・費用負担についての合意は分けて考えます。

2020年4月施行の改正民法が適用される売買では、修補等の追完、代金減額、損害賠償、解除が問題になります。以下は中古住宅を売る場面の基本です(出典:民法562〜566・572条)。

買主の4つの請求は、それぞれ要件が違います

請求内容と主な条件
追完契約に合う状態にするための修補などを求める
代金減額原則、相当期間を定めて追完を求めても行われないとき。不可能な場合などは催告不要
損害賠償売主の責めに帰すことができない事由による不履行なら免責される
解除催告後も履行がなく不履行が軽微でない場合や、履行不能等の法定要件を満たす場合

この4つを必ず順番に行うわけではありません。代金減額は不適合の程度に応じるため、修理見積額がそのまま返還額になるとも限りません。

たとえば配管修理の見積りが80万円でも、その全額を当然に売主が払うと決まるわけではありません。契約で約束した状態、原因、修理範囲、請求の根拠を確認します。

また、売主が知らなかったというだけで、追完等の責任がすべてなくなるものでもありません。損害賠償とほかの請求を、一括して「売主の落ち度は不要」と説明するのは不正確です。

「知ってから1年の通知」と消滅時効は別です

種類・品質の不適合は、原則として買主が知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。引渡しから一律1年ではありません。

ただし、売主が引渡し時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかった場合、この通知期間の制限は適用されません。数量不足や権利の不適合も、同じ1年の規定の対象ではありません。

さらに、通知をすれば請求権が永久に残るわけではなく、消滅時効は別に問題になります。債権の原則は、権利行使できると知った時から5年、または権利行使できる時から10年です。起算点や更新の有無などは個別に判断します(民法166・566条)。

売買契約に期間の特約があれば、その有効性と「何をいつまでに通知・請求する条件か」も確認します。「3か月と書いてある」だけで、請求を無視してよいとは判断できません。

免責特約には、売主の立場による制限があります

事業としてではなく個人が自宅を売る場合、責任の対象や期間を合意で限定することは可能です。ただし民法572条により、知りながら告げなかった事実は免責されません。自ら第三者のために設定・譲渡した権利にも例外があります。

売主が宅建業者で、買主が宅建業者でない取引では、種類・品質の責任について、原則より買主に不利な特約は制限されます。通知期間を引渡しから2年以上とする特約は認められます(出典:宅地建物取引業法40・78条)。

個人名義でも事業として売る場合などは、消費者契約法の検討も必要です。「個人同士だから全部免責できる」と一括りにせず、取引の実態を伝えて特約を確認してもらいます。

告知書は、事実・未確認事項・合意を分けて残します

物件状況報告書と付帯設備表には、知っている不具合や修理履歴を具体的に記載します。分からない事項を「なし」とせず、未確認の範囲を示します。

項目記載の考え方・仮の例
過去の雨漏り「2023年6月、2階南側天井に漏水。翌月に屋根を補修。請求書あり」
現在の確認範囲「補修後、居住中に再発は認識していない。屋根裏内部は未調査」
引渡し条件売主が修理するのか、現状を前提に売るのか、対象箇所と費用負担を契約で合意する

これらは書き方の例で、免責を保証する文例ではありません。「未確認」と書いても、実際には知っている不具合を隠してよいわけではありません。告知義務の範囲も併せて確認できます。

建物状況調査で把握できる情報を増やす方法もあります。ただし調査は瑕疵の有無を判定するものではなく、問題が一切ないとの保証でもありません(出典:国土交通省・建物状況調査)。

契約書、告知書、写真、修理資料、説明のやり取りは一緒に保存します。請求を受けたら、まず発生日・場所・写真・見積りを受け取り、仲介会社と事実を整理します。争いがあれば弁護士へ相談します。売却の必要書類を使うと、保存する資料を整理できます。

説明した事実と、合意した引渡し条件を残す

よくある質問

Q. 「現状有姿」と書けば全部免責ですか?

その言葉だけで当然に全部免責とは判断できません。物件の状態、説明内容、責任の対象・期間を定めた条項を合わせて確認します。

Q. 相続した空き家で状態が分かりません。

居住しておらず分からない範囲を明記し、残された修理資料や把握できた事実を説明します。追加調査をするか、どの状態で引き渡すかを買主と合意します。

Q. 買主の修理代請求には、すぐ同意すべきですか?

金額だけで判断せず、契約上の責任、発生原因、対象範囲、通知時期を確認します。緊急対応が必要なら、被害を広げない措置と費用負担の判断を分けて調整してください。

※2026年10月24日更新:告知書への記載だけで免責になるとの説明、請求の順序、期間制限と損害賠償の要件を修正しました。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。制度・法令は執筆時点の情報です。個別の事情については専門家にご相談ください。

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