建物・土地の不具合・説明・告知の不足・境界・隣地・道路
地中埋設物と契約不適合
「地中埋設物なし」の説明は、売主が知る範囲に限られる
- 裁判所
- 東京地裁
- 判決日
- 2023年11月6日
- 結論
- 買主の契約不適合・説明義務違反による損害賠償請求を棄却(原審維持)
01どんな事件か
売主Yが自宅敷地約72㎡を売却するにあたり、建物解体時に地中よりガラを撤去した旨を物件状況等報告書に明記し、「地中埋設物を発見していない」「越境がない」とも記載した。買主Xは引渡し後、塀沿いの地中50cm程度から使用されていない排水管パイプ(直径40cm・長さ690cm)を発見し、塀の基礎部分が隣地に越境していることも判明。Xは契約不適合責任に基づき、撤去費用57万円や慰謝料を含む計102万円余の損害賠償を求めて提訴した。
02裁判所の判断
裁判所は、売主の「地中埋設物なし」の説明は売主の認識を示したにとどまり、土地全体に埋設物がないことまで契約内容となっていたとは認められないと判断した。本件パイプの埋設位置は建物解体時に当然掘削されるべき範囲ではなく、発見も困難であり、現に自宅建築工事は支障なく完成していることから、土地の品質に関する契約不適合は認められないと結論づけた。塀基礎の越境も具体的支障が生じていないとして契約不適合性を否定し、説明義務違反の主張も退け、買主の請求を棄却した。
03取引で気をつけること
売主が「地中埋設物なし」と書いていても、それは売主が知る範囲の認識に過ぎず、土地全体の保証ではない。地中の状況が気になる場合は購入前に地中レーダー調査や試掘を売主負担または自費で実施することを検討する。引渡し後に問題を発見した場合は、契約書に書かれた不適合通知期間(3か月等の短期もありうる)内に必ず書面で通知すること。期間を過ぎると請求自体が成り立たないリスクがある。
- 契約不適合責任
- 地中埋設物
- 物件状況等報告書
- 説明義務
- 越境
- 通知期間
- 瑕疵担保
- 土地売買
出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)「RETIO」No.138 掲載の判例紹介(元資料のPDF)。URUMAEが独自に要約したもので、RETIOの見解を示すものではありません。判決の詳しい事実関係は元資料でご確認ください。
