解約・手付・ローン・賃貸

減額交渉決裂理由の賃料不払は解除事由

賃料減額交渉決裂を理由に8か月賃料を払わず供託もしなかった賃借人の信頼関係破壊を認め解除有効

東京地裁・2011年8月26日ベータ版

裁判所
東京地裁
判決日
2011年8月26日
結論
認容

01どんな事件か

賃借人Yが月額25万円の賃料更新に対し経営難を理由に18万円を求めたが賃貸人Xらが拒絶。法定更新後Yは9・10月分賃料と保証金償却分50万円を未払。Xらは催告・第1解除を行ったがYはさらに8か月間も全く賃料を払わず(供託もせず)。Xらは訴状送達をもって第2解除を通知。Yは「賃貸人が減額に応じないのが悪い」と繰り返し主張。

02裁判所の判断

東京地裁はXらの請求を認容。①第1解除(不払2か月):減額交渉中だったためYの行為に背信性なし→無効。②第2解除(不払8か月・供託なし):Yは自らが適正と考える額の供託もせず感情的理由で不払を継続し、賃貸人が悪人と主張→信頼関係破壊→有効。③賃料減額交渉に応じない場合でも調停・減額確認訴訟という手続が利用可能であり、賃貸人の拒絶を理由に賃料不払を正当化することはできない。長期不払は信頼関係破壊の重大な根拠となる。

03取引で気をつけること

貸主が賃料の値下げに応じてくれないからといって賃料を払うのをやめることは法律上できない。8か月間の賃料不払(しかも供託なし)は信頼関係破壊として解除の正当な理由になる。減額を求めるなら調停や訴訟という正規の手続を利用すること。減額が確定するまでは従前の賃料を払い続けるか、適正と思う額を供託することが必要。

  • ["賃料不払"
  • "信頼関係破壊"
  • "解除"
  • "賃料減額"
  • "供託"
  • "東京地裁"
  • "賃貸借"]

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)「RETIO」No.87 掲載の判例紹介(元資料のPDF)。URUMAEが独自に要約したもので、RETIOの見解を示すものではありません。判決の詳しい事実関係は元資料でご確認ください。

判例の一覧へ戻る