市場動向2026年6月28日

不動産の資産価値はなぜ下がる?価格が落ちる7つの要因と下がりにくい物件の共通点

資産価値価格下落築年数人口減少ハザードマップ

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結論:価値が下がる要因は7つ。うち自分で対処できるのは「管理状態」と「売る時期」だけです

不動産の資産価値が下がる要因は、築年数の経過・人口減少とエリア衰退・駅距離と利便性・周辺環境の変化・建物の管理状態・金利上昇・災害リスクの7つに整理できます。

重要なのは、この7つのうち所有者自身がコントロールできるものはごく一部だという事実です。立地や人口動態は変えられません。自分で動かせるのは「建物の管理状態を保つこと」と「売る時期を選ぶこと」の2つだけです。だからこそ、ご自身の物件がどの要因の影響を受けやすいかを把握し、価値の定点観測を続けることが、売り時を逃さない唯一の方法になります。

売却の場では「10年前ならもっと高く売れたのに」という後悔がよく聞かれます。この記事では、7つの要因を一つずつ分解し、下がりにくい物件の共通点まで解説します。


価格が落ちる7つの要因 一覧

要因影響の出方自分で対処できるか
1. 築年数の経過毎年じわじわ確実に不可(管理で緩和は可能)
2. 人口減少・エリア衰退10〜20年単位でじわじわ不可
3. 駅距離・利便性需要の絞り込みとして常に不可
4. 周辺環境の変化突発的に(施設の建設・撤退)不可
5. 建物の管理状態放置するほど加速可能
6. 金利上昇市場全体の買い手予算を圧縮不可(時期選びで回避は可能)
7. 災害リスク・ハザード評価の織り込みが年々厳格に不可(開示と説明で緩和)

要因1:築年数 — 最も確実で、最も大きい下落要因

建物は経年で確実に価値が下がります。特に木造戸建は法定耐用年数が22年とされ、市場でも築20年を超えると建物部分の評価が大きく縮み、土地値中心の取引になるのが実務の現実です。

具体例で見てみましょう。購入価格3,500万円(建物1,500万円+土地2,000万円)の木造戸建が、築20年で建物評価がほぼゼロになったとします。土地の相場が変わらなければ評価は約2,000万円。購入価格から約43%の下落です(3,500万円−1,500万円=2,000万円)。一方、土地の価値は建物のようには目減りしないため、同じ価格の物件でも「土地の比率が高い物件」は下落が緩やかになります。

マンションも例外ではありません。東日本レインズのデータでは、首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は27.48年(2026年6月)まで上昇しており、築古物件の取引自体は活発ですが、新しい物件との価格差は明確に存在します(出典: 東日本レインズ Market Watchサマリーレポート2026年6月度)。

要因2:人口減少・エリア衰退 — 買い手の絶対数が減る

不動産の価格は、最終的には「そのエリアで買いたい人の数」で決まります。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、日本の総人口は長期的な減少局面にあり、2070年には8,700万人程度まで減る見通しが示されています(出典: 国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(令和5年推計))。

【図表1:日本の総人口の将来推計。2070年に約8,700万人へ減少する見通し 出典:国立社会保障・人口問題研究所】

ただし全国一律に下がるわけではありません。人口が減る中でも都市部への集中は続いており、「全体は縮むが、集まる場所はむしろ強くなる」という二極化が進みます。ご自身の市区町村の人口推移(自治体サイトで公開されています)と、小学校の統廃合・商業施設の撤退といった生活インフラの動きが、エリアの先行指標になります。

要因3:駅距離・利便性 — 徒歩分数は査定の主要変数

中古市場の買い手はポータルサイトで「駅徒歩10分以内」のように条件を絞って検索します。徒歩分数が1分違うだけで検索結果に表示される回数が変わり、それが価格に直結します。人口減少期には「便利な場所しか選ばれない」傾向が強まるため、駅遠物件ほど早めの売却判断が重要になります。車社会のエリアでは駅距離より幹線道路・商業施設へのアクセスが同じ役割を果たします。

要因4:周辺環境の変化 — プラスにもマイナスにも動く

近隣への大型商業施設や新駅の計画は価値を押し上げ、逆に目の前のマンション建設による日照・眺望の喪失、工場や嫌悪施設の立地は価値を下げます。この要因は予測が難しい一方、都市計画情報である程度先読みできます。用途地域(建てられる建物の種類を定めたルール)を確認すれば、「隣の駐車場に高い建物が建ち得るか」は事前に分かります。売却を考え始めたら、自治体の都市計画図を一度確認しておくことをおすすめします。

要因5:建物の管理状態 — 唯一、自分で守れる要因

同じ築年数でも、管理状態で価格は大きく変わります。戸建なら外壁・屋根の定期メンテナンスと雨漏り・シロアリの早期対処、マンションなら管理組合の修繕積立金残高と長期修繕計画の実行状況です。マンションは「管理を買え」と言われるとおり、自分の専有部分がきれいでも、管理組合の財政が悪ければ査定は下がります。総会議事録と重要事項調査報告書は、売る側になったときの成績表だと考えてください。

要因6:金利上昇 — 市場全体の買い手予算を圧縮する

2026年6月に日銀は政策金利を1.0%へ引き上げ、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。金利が上がると買い手が同じ月々返済額で借りられる金額が減るため、物件自体は何も変わらなくても、市場全体の値付け余力が下がります。この構図は【2026年最新】不動産市場の動向と今後の見通しで最新データとともに詳しく解説しています。

要因7:災害リスク・ハザード — 評価への織り込みが年々厳しくなっている

2020年から、不動産取引時に水害ハザードマップ上の物件の位置を説明することが義務化されました。買い手が契約前に必ずリスクを知る仕組みになったことで、浸水想定区域や土砂災害警戒区域の物件は価格交渉の材料にされやすくなっています。ご自身の物件のリスクは国土交通省・国土地理院のハザードマップポータルサイトで住所を入れるだけで確認できます。売主としては、リスクを隠すのではなく、把握した上で「ハザード外」なら強みとして訴求し、「区域内」なら保険加入状況や過去の被災の有無を誠実に開示するのが結果的に有利です。

なお、接道義務を満たさない再建築不可物件など、法規制による価値下落は別枠で大きな論点です。再建築不可・訳あり物件の売却もあわせてご覧ください。

下がりにくい物件の共通点

7つの要因を裏返すと、下がりにくい物件の条件が見えてきます。

  • 駅徒歩10分以内、または生活利便施設が徒歩圏に揃っている
  • 人口が維持・増加している自治体(またはその中心部)にある
  • 土地の価値比率が高い(戸建)、管理組合が健全(マンション)
  • ハザードマップ上のリスクが低い
  • 新耐震基準(1981年6月以降の建築確認)を満たしている

すべてを満たす物件は多くありません。大切なのは、ご自身の物件が「どの条件を満たし、どれを欠いているか」を客観視することです。

自分の物件価値を定点観測する方法と、「下がる前に売る」判断

年に1〜2回、次の3つを確認するだけで、価値の変化はつかめます。

  1. ポータルサイトで同条件の売出価格を見る(同じ沿線・駅距離・築年帯で検索)
  2. 公示地価・基準地価の近隣地点の推移を見る(国土交通省が毎年公表)
  3. レインズの月次市場データでエリアの成約トレンドを見る

そのうえで「下がる前に売る」判断の核心は、下落要因が複数重なり始めたときが分岐点だということです。築年数は全物件共通ですが、そこに「エリアの人口減少」「管理費の値上げ・積立金不足」「金利上昇」が重なると、下落は単独要因のときより速くなります。ご自身の物件に当てはまる要因が2つ以上あり、かつ5〜10年以内に売る可能性が少しでもあるなら、早めに相場と手取り額を把握しておくべき局面です。

よくある質問

Q. 資産価値は年に何%くらい下がるものですか?

物件によって大きく異なるため一律の数字はありませんが、目安としては、市況が横ばいの時期の標準的な中古住宅で年1〜2%程度の緩やかな下落といわれます。ただし近年はマンション価格の上昇が築年による下落を打ち消してきた特殊な時期でした。市況が変われば「築年数ぶんは素直に下がる」状態に戻る点に注意してください。

Q. リフォームすれば資産価値は上がりますか?

「下落の緩和」には有効ですが、かけた費用がそのまま価格に上乗せされることはほとんどありません。500万円のリフォームで査定が500万円上がることは稀で、売却直前の大規模リフォームは費用倒れになりがちです。売却前の投資はハウスクリーニングや小修繕までに留めるのが定石です。

Q. 築40年を超えたら売れなくなりますか?

売れなくなるわけではありません。立地が良ければ土地値(マンションなら立地価値)で取引されますし、リノベーション前提の買い手や買取業者という受け皿もあります。ただし住宅ローンの担保評価が出にくくなり買い手が絞られるのは事実で、選択肢が狭まる前に動く方が有利です。

Q. ハザードマップの区域内だと必ず安くなりますか?

必ずではありません。利便性の高いエリアでは、リスクを織り込んでもなお需要が上回ることがあります。ただし説明義務があるため、価格交渉の材料になりやすいのは確かです。水害保険の付保状況や建物の浸水対策を整理しておくと、交渉での失点を減らせます。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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