プロの査定は何を見ているか

不動産鑑定士は、地価公示の標準地について評価書を作成し、 その土地の形・前面道路・傾斜・駅からの距離といった条件を記録しています。 そこには「なぜこの値段なのか」の根拠が数字で残っています。神戸市の住宅地について、2026年[令和8年]の評価書から集計しました。

査定書に出てくる「補正」の中身は、売主から見ると分かりにくいものです。 ここでは、実際の評価データでどの条件がどれだけ価格に効いているかを示します。

前面道路の幅で変わる

敷地が接している道路の幅です。建築基準法では原則として幅4m以上の道路に2m以上接していないと家を建て替えられません。 幅が狭いほど評価は下がります。

  • 4m未満12.7万円/㎡13件
  • 4〜6m11.5万円/㎡157件
  • 6〜8m11.5万円/㎡206件
  • 8m以上25.5万円/㎡51件

道路の幅は価格に効く要素のひとつですが、これだけで価格が決まるわけではありません。 立地や用途地域の違いも同時に含まれた数字です。

平坦か、傾斜地か

神戸は六甲山地の裾に市街地が広がっているため、傾斜地の住宅が多い土地柄です。 傾斜があると、擁壁の維持費・建て替え時の工事費・日常の上り下りが評価に影響します。

  • 記載なし12.4万円/㎡427件

駅からの距離で変わる

評価書に記録されている最寄駅までの道路距離で分けました。徒歩1分=80mが不動産広告の換算基準です。

  • 500m以内24.7万円/㎡113件
  • 500m〜1km16.7万円/㎡139件
  • 1〜2km11.5万円/㎡89件
  • 2km超8.2万円/㎡86件

区ごとの評価額と路線価の水準

相続税路線価は、地価公示のおおむね8割を目安に定められています。 相続で使う評価額と売却で成立する価格が違うのは、この差によるものです。

神戸市の区別の鑑定評価額と路線価水準
住宅地の評価額路線価の水準
神戸市東灘区33.9万円/㎡77%
神戸市灘区38.3万円/㎡75%
神戸市中央区36.2万円/㎡76%
神戸市兵庫区21.1万円/㎡77%
神戸市北区6.4万円/㎡56%
神戸市長田区15.6万円/㎡71%
神戸市須磨区12.5万円/㎡71%
神戸市垂水区11.7万円/㎡76%
神戸市西区7.3万円/㎡51%

売却前に確かめておくと有利なこと

  • 前面道路の幅と接道の長さ。 4m未満の場合はセットバックが必要になることがあり、買主から必ず確認されます。
  • 擁壁の状態と築年。 傾斜地では擁壁の安全性が価格交渉の材料になります。図面が残っていれば強い材料になります。
  • 用途地域・建蔽率・容積率。 建て替えできる規模が変われば、土地の値段そのものが変わります。
  • 境界の確定。 測量図がないと引き渡しまでに時間がかかり、値引きの理由にされることがあります。

お住まいの地域の相場は町丁目別の相場から、地価の推移は地価のページから確認できます。