固定と変動の差は、借りた年で逆転します
「住宅ローンは固定が安心」。その安心にいくら払ったかを、借りた年別に計算しました。1996年のケースは固定の利息が約1,224万円多く、2016年は約95万円少ない結果です。
ただし、これは実際の借り手全員の成績ではありません。固定には公表金利、変動には金利の引下げ幅を仮定した比較です。過去の勝敗より、何が結果を分けるのかを見てください。
同じ3,000万円でも、利息差は1,000万円を超えました
各年4月に3,000万円を35年・元利均等返済で借り、2026年9月まで払った利息を比較しました。
固定は旧公庫の1996年3.35%→11年目3.40%、2001年2.45%→11年目4.00%。2006・2011・2016年はフラット35の各4月の最低金利2.68%・2.63%・1.19%です(出典:旧公庫金利、機構の金利推移)。
変動は日銀の短期プライムレートに1%を足し、1.0%を引く仮定です。金利は4・10月、返済額は5年ごと・前回の125%を上限に見直しました。銀行の商品条件の再現ではありません。
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| 借入年 | 固定の利息 | 変動の利息 | 差(固定−変動) |
|---|---|---|---|
| 1996年 | 2,069万円 | 846万円 | +1,224万円 |
| 2001年 | 1,813万円 | 786万円 | +1,027万円 |
| 2006年 | 1,297万円 | 719万円 | +578万円 |
| 2011年 | 1,034万円 | 573万円 | +461万円 |
| 2016年 | 328万円 | 423万円 | −95万円 |
差は丸め前に計算しています。1996年は、支払総額の差約1,096万円に、残高の差約128万円を加えると約1,224万円。月々の支払額だけでは負担差を捉えられません。
【注意】2016年の「固定が有利」も、条件で変わります
変動の引下げ幅を1.0%ではなく1.5%と仮定すると、2016年も固定の利息が約47万円多い結果になります。つまり、借入年だけで得か損かは決まりません。
各時期の平均引下げ幅は確認できていません。表は諸費用や団信費用を含まず、旧公庫で3,000万円全額を借りられたかも考慮していません。実際の契約より単純化した試算です。
過去に金利が上がらなかったからといって、固定を選んだ判断が誤りだったとは言えません。金利上昇時にも返済計画を変えずに済む安心には、利息差だけで測れない価値があります。
2026年9月の金利を、昔の低金利と混ぜないでください
日銀は2026年9月18日、政策金利を1.25%程度へ変更すると決定しました(出典:日銀公表文)。同月のフラット35最低金利は3.460%でした。借入21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付きの値です。
これは2026年9月時点の記録で、現在の見積金利ではありません。借り換えは、過去の表ではなく今の契約と新しい見積もりで比べます。
また、5年・125%ルールがあっても利息の増加は止まりません。返済額を上回った利息が残る場合があります(出典:全国銀行協会)。自分の契約にルールがあるかも確認します。
銀行には、月額と完済までの支払額を聞きます
昔の勝敗より、これから払う額を比べます。
- 返済予定表で適用金利・残高・残り期間を確認する
- 銀行に次の見直し時期と、金利上昇時の月額・残高推移を試算してもらう
- 借り換え案は手数料・登記費用・団信の違いも含め、同じ残り期間で比べる
個別の借入判断は銀行などに確認してください。売却も考えるなら、ローンが残る家の売り方と住み替えの順番を先に確認します。
続けて読むなら、不動産の売り時の考え方です。
よくある質問
Q. 2016年に固定で借りた人は全員得でしたか?
いいえ。引下げ幅などで逆転する仮定の比較です。
Q. 変動から固定へ今すぐ借り換えるべきですか?
一律には言えません。今後の支払額と諸費用、家計の余裕を比べます。
Q. 表は35年間の最終的な損得ですか?
違います。2026年9月までの途中経過で、将来の金利は予測していません。

