4.1%下落と0.5%下落は、同じ月の数字です
「新築が4.1%安くなったなら、中古のうちも下げたほうがいい?」。2026年9月、首都圏の新築マンションの平均価格は9,552万円で、前年同月より4.1%下がりました。ところが、1㎡当たりの単価は145.8万円で、下落は0.5%です。
出典:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年9月」、10月20日公表、1ページ。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の新築の数字で、全国や中古の統計ではありません。
小さい部屋が増えるだけでも、平均価格は下がります
たとえば単価を60万円に固定すると、60㎡は3,600万円、75㎡は4,500万円です。両方が1戸ずつなら平均4,050万円。60㎡が2戸、75㎡が1戸の組み合わせになれば、平均は3,900万円です。
どの部屋も値下げしていないのに、平均は約3.7%下がります。 これは仕組みを示す仮の計算で、実際の物件ではありません。
ただし、㎡単価を見れば条件が全部そろうわけでもありません。高額な地域の発売が多い月なら、地域全体の㎡単価も影響を受けます。今回の下落の原因を、広さの違いだけで断定はできません。
3,600万円と4,200万円なら、どちらを基準にしますか
ここからは中古の売却に置き換えます。自宅が70㎡で、同じ駅・築年数が近い成約例として、次の2件を紹介されたとします。実在しない比較用の例です。
| 仮の成約例 | 広さ・価格から計算した㎡単価 |
|---|---|
| A:60㎡・3,600万円 | 3,600÷60=60万円/㎡ |
| B:75㎡・4,200万円 | 4,200÷75=56万円/㎡ |
仮にこの単価を70㎡へ掛けると、A基準は4,200万円、B基準は3,920万円。同じ2件から、280万円の開きが生まれます。
だから、担当者から「近くで4,200万円で売れました」と聞いたら、次は「何㎡ですか」と尋ねてみてください。その一問で、自宅より広いから高かったのか、単価そのものが高かったのかを分けられます。
もちろん、3,920万〜4,200万円がこの家の査定額になるわけではありません。階数、向き、管理状態、室内の状態も違います。単価の計算は、その差を話し合うための出発点です。
比較資料の取引時期と件数も聞きます。数年前の1件だけなのか、最近の複数の事例なのかで、確認すべき条件は変わります。資料に日付や面積がなければ、担当者に補足を求めてください。
相場の調べ方は、マンションの成約価格を調べる手順でも整理しています。
担当者には「値段と、売れると見る理由」をセットで聞きます
売却前なら、次の形で聞くと比較しやすくなります。
「自宅に近い成約例を、広さと成約価格が分かる形で見せてください。その中から、今回の売り出し価格を決めた理由も教えてください」
すでに売却中なら、もう一つ聞きます。「今の価格で内覧した方は、ほかにどの物件を見ていて、何を理由に決めかねていますか」。把握できている範囲を教えてもらえば、価格、写真、内覧の準備のどこを見直すか考えやすくなります。
ただし、分かっている反応と推測は分けてもらいます。比較は同じマンションに売り物件が複数ある場合も参考になります。
【注意】単価の違いを、そのまま値下げ額にはしません
成約例が少ない地域では、期間や範囲を広げる必要があります。近い条件でも、売り急いだ取引など個別の事情がある場合は、単純な平均では拾い切れません。
売却期限が近いなら、希望価格だけでなく「いつまで待てるか」も担当者へ伝えます。買い替えの支払いがある人と、急がない人では、選ぶ価格戦略が変わるためです。
自宅の話に進める質問は「その事例、何㎡ですか」
次に成約価格を聞いたら、広さも確認し、価格を面積で割ってみます。そのうえで、自宅との条件差を担当者に説明してもらってください。
成約価格を聞いたら、広さもセットで。
続けて読むなら、売り出し価格を見直すタイミングです。
よくある質問
Q. ㎡単価はどう計算しますか?
価格を専有面積で割ります。4,200万円・75㎡なら、4,200÷75=56万円/㎡です。売出価格か成約価格かもそろえて比較します。
Q. 首都圏の下落率を地方の中古に使えますか?
そのまま自宅の値下がり率にはできません。今回の数字は首都圏の新築です。地方の中古を売る場合も、近隣の中古成約例から比べます。
Q. ㎡単価が高い物件は割高ですか?
それだけでは決まりません。立地、階数、室内の状態などの差が、価格の差につながっているかを確認します。

