大人が在宅中でも、65件の死亡事故がありました
「家にいるから大丈夫」。その前提だけでは防げない事故があります。国が調べた窓・ベランダからの転落死亡事故134件のうち、65件は保護者の在宅中でした。
対象は1993〜2024年の6歳未満の事故です。不在55件、不明14件で、年間の発生件数ではありません(出典:消費者安全調査委員会・2025年6月報告書p.5)。
だから、保護者に「もっと見ていて」と求めるだけでなく、窓へ登る足場と、自分で開けられる鍵を変えます。今日は家の窓を順に点検しましょう。
まず窓際の家具をどけ、次に鍵を確かめます
窓からの事故42件中32件で、足場が確認されています。そのうちベッド・ソファが15件、机・タンスなどが14件でした。ベランダも92件中67件で足場が確認されています(報告書p.35、40〜41)。
つまり、見直すのは手すりの高さだけではありません。窓の下のソファ、ベランダのイスやプランターを、登るための踏み台にしない配置へ変えます。
掃き出し窓の鍵は標準的な寸法で床から約80cmです。報告書の計算では、男児10か月・女児11か月ごろの身長中央値でも手が届きます(p.39)。
【計算例】2歳の手が届く高さは約110cm。約110−約80=約30cmで、鍵より上まで届く計算です。だから「まだ小さいから開けられない」とは考えず、高い位置の補助錠を重ねます。
内見には、この点検表とメジャーを持っていきます
下表は報告書p.14〜17が紹介する国のガイドラインの目安です。数字を満たせば事故が起きないという保証ではありません。
| 見る所 | 確かめる目安 |
|---|---|
| 窓の補助錠 | 子どもの手が届かない位置。床から150cm程度以上を想定 |
| ベランダの手すり | 床から110cm以上。横桟など足がかりのない形 |
| 手すりの縦格子 | すき間11cm以下 |
| 手すりの下 | 床とのすき間9cm以下 |
| 室外機 | 手すりから60cm以上離す。難しければ高さ90cm以上の柵 |
内見では「ベッドをここに置いたら窓へ登れないか」まで、家具の位置を重ねて見ます。室外機を離せない場合は、対策工事ができるかも確認します。
住まい選びの順序は家の買い替えの進め方にまとめています。
【注意】鍵や柵は、避難と管理規約も確認します
窓を開けにくくする対策は、火災時の避難・救助を妨げるおそれもあります(報告書p.29)。窓の形に合う製品を選び、取付方法や避難への影響を施工業者などに確認してください。
分譲マンションでは、窓枠・窓ガラス・バルコニーは標準管理規約上、共用部分として扱われます。各マンションの規約で異なるため、穴あけや手すり交換の前に管理組合へ相談します(出典:国土交通省)。賃貸なら管理会社か貸主に確認します。
今日変えるのは「配置」と「施錠」の2つです
足場をなくし、子どもが開けられない窓にします。
- 窓際の家具を離し、ベランダのイス・鉢・洗濯かごなどを片付ける
- 窓を閉めて施錠し、手の届かない位置へ補助錠を付けられるか確認する
あわせて、窓を開けた部屋やベランダに小さな子どもだけを残さず、網戸にも寄りかからせません(出典:消費者庁の事故防止ポイント)。祖父母の家や帰省先も同じ順で点検します。
住み替えを検討するなら、売り先行・買い先行の違いも確認できます。
よくある質問
Q. 低い階なら対策はいりませんか?
必要です。報告書には2階からの死亡事故も載っています。
Q. 家具を片付ければ補助錠はいりませんか?
片付けと施錠は重ねます。成長すると自分で窓を開けたり、物を運んだりできます。
Q. 手すりが110cmあれば安全ですか?
高さだけでは判断できません。足がかり・すき間・周囲の物も点検してください。

