物件別2026年6月7日

マンション売却の相場を自分で調べる3つの方法【築年数・階数で価格はこう変わる】

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結論:相場は「売出価格」ではなく「成約価格」で調べるのが正解です

マンション売却の相場は、不動産会社に査定を依頼しなくても、自分で無料で調べられます。使うのは主に3つ、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」、不動産流通機構の「レインズ・マーケット・インフォメーション」、そしてポータルサイトの売出価格です。

このとき最も大切なのは、「売出価格(売主の希望価格)」と「成約価格(実際に売買が成立した価格)」を区別することです。東日本レインズの統計では、2025年の首都圏中古マンションは、新規登録物件(売出)の平均価格が5,557万円だったのに対し、成約物件の平均価格は5,200万円でした(出典: 東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2025年))。つまり、ポータルサイトに並んでいる価格は、実際に売れる価格より平均で7%ほど高いのです。売出価格だけを見て「うちも同じくらいで売れる」と考えると、値付けを誤ります。

実際の売却では、「ネットで見た隣の部屋の売出価格」をそのまま基準にしてしまう方が少なくありません。この記事では、成約ベースの相場を自分でつかむ手順と、築年数・階数・向きが価格に与える影響、最後に売出価格の決め方までを順に解説します。


方法1:不動産情報ライブラリ(国土交通省)で実際の取引価格を調べる

不動産情報ライブラリは、国土交通省が運営する無料の情報サイトです。実際に行われた不動産取引の価格情報(取引価格・成約価格)を、地域・時期・物件種別で絞り込んで検索でき、地図上での表示やデータのダウンロードもできます。

  • 費用: 無料・登録不要
  • わかること: 中古マンションの取引価格・面積・築年・最寄駅からの距離など
  • 更新頻度: 四半期ごと

使い方のコツは、自分のマンションと「駅距離・築年数・面積」が近い事例を5件以上集めることです。1件だけを見ると、リフォーム済みや訳あり物件など特殊な事情が混ざっている可能性があります。複数の事例の1平米あたり単価(価格÷面積)を平均すると、ぶれの少ない相場観がつかめます。

方法2:レインズ・マーケット・インフォメーションで成約事例を調べる

レインズ(REINS)は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する不動産会社専用の物件情報ネットワークです(出典: 公益財団法人 東日本不動産流通機構)。このレインズに登録された「成約価格」を、一般の方向けに公開しているのが「レインズ・マーケット・インフォメーション」です(検索サイトで「レインズマーケットインフォメーション」と入力するとすぐ見つかります)。

  • 費用: 無料・登録不要
  • わかること: 沿線・駅・駅距離・面積・築年数・間取り別の成約事例
  • 特徴: 不動産会社が実際に取引を成立させた価格が元データなので、精度が高い

個人情報保護のため住所やマンション名までは表示されませんが、「同じ駅・徒歩10分以内・築20〜25年・70平米前後」といった条件で絞れば、自分の物件にかなり近い成約水準が見えてきます。

方法3:ポータルサイトの売出価格は「上限の目安」として使う

スーモやホームズなどのポータルサイトで、同じマンションや近隣の売出中の物件を見る方法です。今まさに競合になる物件がいくらで出ているかがわかるため、これはこれで重要な情報です。

ただし冒頭でお伝えしたとおり、売出価格は成約価格より平均7%前後高い水準にあります。さらに、長期間売れ残っている物件は「その価格では売れない」ことの証拠でもあります。掲載開始からの経過期間もあわせて見て、売出価格は相場の上限の目安、成約データが実力値、と使い分けてください。


築年数で価格はこう変わる【首都圏の実データ】

相場を大きく左右する第一の要素は築年数です。東日本レインズが公表した2025年の首都圏中古マンションの築年帯別平均成約価格を見てみましょう。

【図表1:中古マンションの築年帯別平均成約価格(首都圏・2025年。築0〜5年8,666万円→築21〜25年6,075万円→築31〜35年2,638万円)出典:東日本不動産流通機構】
築年帯平均成約価格平米単価
築0〜5年8,666万円143.6万円
築6〜10年8,201万円131.9万円
築11〜15年7,335万円114.1万円
築16〜20年6,709万円99.1万円
築21〜25年6,075万円86.1万円
築26〜30年4,286万円64.5万円
築31〜35年2,638万円44.1万円
築36〜40年2,761万円40.4万円

(出典: 東日本不動産流通機構 REINS TOPIC 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)

このデータから読み取れるポイントは3つあります。

  1. 価格は築年数とともに下がるが、一直線ではない。築25年を過ぎたあたりで大きく段差が生じる(築21〜25年の6,075万円から築26〜30年の4,286万円へ約3割下落)
  2. 築30年を過ぎると下落は緩やかになり、底に近づく(土地の持分価値と立地が支えるため)
  3. 一方で「対新規登録成約率」(売りに出た物件のうち成約に至る割合)が最も高いのは築11〜15年。築浅すぎず価格がこなれた物件が、最も売れやすい

つまり、築20年前後で売却を検討している方は「あと数年待つと相場の段差を越えてしまう」可能性を、逆に築30年超の方は「もう大きくは下がらないが、上がる理由もない」ことを、それぞれ念頭に置くとよいでしょう。なお、これは首都圏の平均値です。地方都市では水準は下がりますが、築年数によるカーブの形は似た傾向を示します。

階数・向き・角部屋で価格はどれくらい変わるか

同じマンションの中でも、部屋の条件で価格は変わります。新築分譲時の価格差や実務での査定の考え方から、一般的な目安を整理します。

条件価格への影響の目安
階数1階上がるごとに0.5〜1%程度高い(タワー型はより大きい)
1階基準階より数%安いことが多い(専用庭付きは緩和)
最上階プレミアムが付き数%高いことがある
向き南向きを基準に、東向き・西向きは1〜3%程度安い、北向きは3〜5%程度安い
角部屋中住戸より2〜5%程度高い
眺望・騒音抜けた眺望はプラス、線路・幹線道路への近接はマイナス

あくまで目安であり、実際にはエリアや買主層で変わります。たとえばタワーマンションでは階数と眺望の影響が大きく、逆に低層マンションでは向きより間取りの使いやすさが効く、といった具合です。大切なのは、成約事例と自分の部屋の条件差を、この表の目安で補正して考えることです。

管理状態が査定に効く:「マンションは管理を買え」

築年数と部屋の条件のほかに、見落とされがちなのが管理状態です。中古マンションの世界には「マンションは管理を買え」という格言があるほどで、同じ築年数でも管理の良し悪しで売れ行きと価格は変わります。

  • 修繕積立金が計画どおり貯まっているか(長期修繕計画に対して残高が不足していないか)
  • 大規模修繕が適切な周期(おおむね12〜15年ごと)で実施されているか
  • 管理費・修繕積立金の滞納が多くないか
  • 共用部(エントランス・ゴミ置き場・掲示板)が清潔に保たれているか

買主側の不動産会社は重要事項調査報告書(管理会社が発行する管理状況の証明書類)でこれらを必ず確認します。積立金不足や大幅値上げの予定は価格交渉の材料になりますし、逆に管理良好な物件はその点をアピールできます。売出前に管理組合の総会資料を読み返しておくことをおすすめします。

売出価格の決め方【計算例つき】

相場がつかめたら、売出価格を決めます。手順は次のとおりです。

  1. 成約事例から自分の物件の「実力値」を計算する
  2. 部屋条件(階数・向き・角部屋)で補正する
  3. 交渉の余地として実力値の3〜5%程度を上乗せして売出価格にする

計算例: 駅徒歩8分・築22年・70平米・5階南向き角部屋のマンションの場合。

  • 近隣の類似成約事例5件の平均平米単価が52万円だったとする → 実力値は52万円×70平米=3,640万円
  • 角部屋(+3%)を補正 → 3,640万円×1.03=約3,749万円
  • 交渉余地4%を上乗せ → 3,749万円×1.04=約3,899万円 → 端数を整えて売出価格3,880万円

このように積み上げると、不動産会社の査定書を受け取ったときに「高すぎないか、安すぎないか」を自分で判断できます。特に注意したいのは、媒介契約(売却の依頼契約)欲しさに相場より明らかに高い査定額を提示する会社です。高値で売り出して長期間売れ残ると、値下げを繰り返すことになり、結果として相場以下でしか売れないケースが実務ではよくあります。売出価格と一緒に「売れなかった場合にいつ・いくら値下げするか」まで計画しておくのが、高く売る近道です。

売却にかかる費用の全体像はマンション売却の諸費用 全一覧で、築30年超の物件の売り方は築古マンション・古い家は売れる?で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 匿名で相場だけ知りたいのですが、査定サイトに登録しないとだめですか?

いいえ。この記事で紹介した不動産情報ライブラリとレインズ・マーケット・インフォメーションは、登録不要・無料で使えます。一括査定サイトに個人情報を入力すると複数社から営業連絡が来るため、「まず相場観だけつかみたい」段階では公的データでの自己調査をおすすめします。

Q. 同じマンション内の過去の成約価格は調べられますか?

不動産情報ライブラリやレインズ・マーケット・インフォメーションでは、個人情報保護のためマンション名までは特定できません。ただし、査定を依頼すれば不動産会社はレインズで同一マンション内の成約履歴を確認できます。同じマンション内の事例は最も精度の高い比較材料なので、査定時に「このマンションの過去の成約はいくらでしたか」と必ず聞いてみてください。

Q. AI査定や机上査定の価格は信用できますか?

参考にはなりますが、幅を持って受け取ってください。機械的な査定は築年数・面積・立地から統計的に算出するため、リフォームの有無・眺望・管理状態・室内の使用状況までは反映できません。最終的な値付けは、訪問査定(実際に室内を見てもらう査定)と成約事例をあわせて判断するのが確実です。

Q. 相場より高く売り出してはいけませんか?

禁止ではありませんが、リスクを理解した上で行ってください。売出から時間が経つほど「売れ残り物件」の印象が付き、問い合わせは減ります。実務の感覚では、相場の5%超の上乗せは反響が目に見えて減り、値下げ後も当初の注目度は戻りません。高めに出すなら「1か月反響ゼロなら価格を見直す」といった撤退ラインを先に決めておくべきです。


売る前に、手取り額を知っておきませんか

不動産売却は、売る前の準備で決まります。URUMAEの無料ツールなら、査定前に自分で概算をつかめます。

※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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売る前に、まず相場を確かめる

査定を依頼する前に自分で相場の見当をつけておくと、各社の査定額が妥当かどうかを判断できます。 国土交通省が公開している実際の取引データをもとに、町丁目別の相場を無料で公開しています。

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