費用・税金2026年4月19日

10年超所有マイホームの軽減税率とは?14.21%になる条件と計算方法【2026年】

マイホーム10年超軽減税率譲渡所得税3000万円特別控除

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結論:6,000万円以下の部分が14.21%になり、3,000万円控除と併用できます

所有期間が10年を超えるマイホーム(居住用財産)を売却した場合、課税譲渡所得のうち6,000万円以下の部分の税率が、通常の20.315%から14.21%に下がります。6,000万円を超える部分は通常どおり20.315%です(出典: 国税庁 No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例)。

この特例の最大の強みは、3,000万円特別控除と併用できることです。つまり「譲渡益からまず3,000万円を引き、それでも残った金額に14.21%」という二段構えになります。長く住んだ家ほど売却益が大きくなりがちなので、10年超の方には効果の大きい制度です。

もう一つ、必ず知っておくべきなのが所有期間の数え方です。10年超かどうかは、購入日から売却日までの実経過ではなく、「売却した年の1月1日時点」で判定します。この判定を勘違いして、あと数か月待てば軽減税率が使えたのに短く売ってしまう例が後を絶ちません。

この特例は3,000万円控除に比べて知名度が低く、「控除で税金ゼロにならなかった分は、全部20.315%だと思っていた」という方が少なくありません。この記事で、条件・計算方法・注意点を順に確認していきましょう。


軽減税率の中身:税率の内訳と通常税率との比較

税率の全体像を表にまとめます。いずれも復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含んだ数字です。

区分課税譲渡所得所得税(復興税込)住民税合計
10年超軽減税率6,000万円以下の部分10.21%4%14.21%
10年超軽減税率6,000万円超の部分15.315%5%20.315%
通常の長期譲渡(5年超)全体15.315%5%20.315%
短期譲渡(5年以下)全体30.63%9%39.63%
【図表1:譲渡所得税率の比較(短期39.63%・長期20.315%・10年超軽減14.21%)出典:国税庁】

6,000万円以下の部分で見ると、通常の長期譲渡より6.105ポイント低くなります。課税譲渡所得1,000万円につき約61万円の差と覚えておくとイメージしやすいでしょう(出典: 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算)。

適用の条件:国税庁No.3305の5要件をチェック

軽減税率の適用には、次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 日本国内にある自分が住んでいる家屋(またはその家屋と敷地)の売却であること。住まなくなった場合は、住まなくなった日から3年目の年末までの売却であること
  2. 売却した年の1月1日時点で、家屋と敷地の所有期間がともに10年を超えていること
  3. 売却した年の前年・前々年に、この軽減税率の特例を受けていないこと
  4. 買換え特例など、他の特例を受けていないこと(3,000万円特別控除との併用は可能
  5. 親子や夫婦など、特別な関係にある人への売却でないこと

つまずきやすいのは要件2です。「家屋と敷地がともに10年超」なので、たとえば土地は親から相続して30年でも、建物を8年前に建て替えていれば、この特例は使えません。逆に、相続で取得した場合の所有期間は亡くなった方の取得日を引き継ぐため、被相続人が10年超住んでいた家なら要件を満たす可能性があります。

計算方法:3,000万円控除→軽減税率の順で適用します

計算の手順は次の3ステップです。

  1. 譲渡所得を計算する:売却価格−(取得費+譲渡費用)
  2. 3,000万円特別控除を差し引く(出典: 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
  3. 残った課税譲渡所得の6,000万円以下の部分に14.21%、超える部分に20.315%を掛ける

ポイントは、軽減税率が掛かるのは控除後の金額だという点です。「売却価格が6,000万円以下かどうか」ではありません。

計算例1:売却6,500万円の戸建て(課税譲渡所得が6,000万円以下)

18年住んだ戸建てを売却したケースです。

  • 売却価格:6,500万円
  • 取得費(建物の減価償却後):2,000万円
  • 譲渡費用(仲介手数料など):210万円
  • 譲渡所得:6,500万円−(2,000万円+210万円)=4,290万円
  • 3,000万円控除後の課税譲渡所得:4,290万円−3,000万円=1,290万円
  • 税額:1,290万円×14.21%=約183万3,000円

もし軽減税率がなければ1,290万円×20.315%=約262万1,000円ですから、約78万8,000円の節税です。申告書に「軽減税率の特例を使う」と正しく記載するだけで、この差が生まれます。

計算例2:課税譲渡所得が6,000万円を超える場合

都心のマンションなど売却益が非常に大きいケースです。3,000万円控除後の課税譲渡所得が9,000万円残ったとします。

  • 6,000万円以下の部分:6,000万円×14.21%=852万6,000円
  • 6,000万円超の部分:3,000万円×20.315%=609万4,500円
  • 税額合計:約1,462万円

全体に20.315%を掛けると約1,828万3,500円なので、約366万3,000円の節税になります。6,000万円を超えても特例が無駄になるわけではなく、6,000万円までの部分はしっかり恩恵を受けられます。

10年の数え方:判定は「売った年の1月1日時点」です

所有期間は、売却した年の1月1日時点で10年を超えているかどうかで判定します。引渡し日や契約日時点ではありません。

具体例で確認しましょう。2016年12月に購入した家を売る場合です。

  • 2026年中に売却 → 2026年1月1日時点の所有期間は約9年 → 10年以下なので適用不可
  • 2027年中に売却 → 2027年1月1日時点で10年を超えている → 適用可

実際の居住は10年を超えていても、判定日基準では足りないことがある、という点が最大の落とし穴です。購入から10〜11年前後で売却を考えている方は、登記簿で取得日を確認し、年をまたぐだけで税額が数十万円変わらないかを必ず試算してください。売り時全般の考え方は売却タイミングの記事も参考になります。

手続き:確定申告が必須です

軽減税率は自動では適用されません。売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行い、申告書第三表と譲渡所得の内訳書で特例の適用を記載する必要があります。あわせて、売却した物件の登記事項証明書など所有期間10年超を示す書類が求められます。

3,000万円控除で税額が0円になる場合は軽減税率の出番はありませんが、その場合も控除の適用自体に申告が必要です。申告の流れと必要書類は不動産売却後の確定申告ガイドにまとめています。

よくある質問

Q. 3,000万円控除で課税譲渡所得が0円になりました。軽減税率の申告も必要ですか?

不要です。軽減税率は「控除後に残った金額」に掛かる税率の話なので、残額が0円なら適用する対象がありません。3,000万円控除の申告だけ行ってください。

Q. 夫婦共有名義の場合はどうなりますか?

要件を満たせば、共有者それぞれが3,000万円控除と軽減税率を適用できます。それぞれの持分に応じた譲渡所得で計算し、各自が確定申告します。夫婦とも10年超所有・居住であることが前提です。共有名義の売却手順は共有名義の不動産売却の記事をご覧ください。

Q. 住宅ローン控除との併用はできますか?

買い替え先の新居で住宅ローン控除を使いたい場合、旧居の売却で3,000万円控除や軽減税率を使うと、新居の住宅ローン控除が使えなくなります(入居年とその前後の一定期間に適用した場合)。どちらが有利かは金額次第なので、住み替えの方は両方を試算して選択してください。

Q. 賃貸に出していた期間があっても使えますか?

「住まなくなってから3年目の年末まで」の間の売却であれば、その間に賃貸に出していても適用の可能性はあります。ただし所有期間10年超に加えて居住実態などの要件確認が必要になるため、個別の事情によって結論が変わります。適用可否の最終判断は税務署または税理士にご確認ください。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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