売却の流れ2026年5月17日

不動産売却の引き渡しと引っ越しのスケジュール【決済当日の流れも解説】

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結論:引き渡しは契約の1〜2ヶ月後、当日は2時間程度で終わります

売買契約を結んだあと、物件の引き渡し(決済)は契約から1〜2ヶ月後に行われるのが標準です。この期間は主に買主の住宅ローン本審査と融資実行の準備に使われます。そして決済当日は、銀行の一室などで残代金の受領・登記手続き・鍵の引き渡しまでを1〜2時間程度で終えるのが通例です。

売主として最重要のポイントは1つだけです。原則として決済日の前日までに引っ越しを終え、物件を空にしておくこと。引き渡しは「空室で行う」のが原則だからです。もし住み替え先の完成が間に合わないなどの事情があれば、「引渡し猶予」という交渉の余地もありますが、これは契約前に決めておく必要があります。

契約後に「引っ越しがそんなに早いとは思っていなかった」と慌てる売主の方は珍しくありません。契約から引き渡しまでの1〜2ヶ月は、思っているより短いです。この記事で全体の時間割を先につかんでください。


契約から引き渡しまでの標準スケジュール

売買契約から決済までにやることを時系列で並べます。

時期売主がやること
契約直後〜1週間銀行にローン一括返済の申し出(金融機関により2週間〜1ヶ月前の事前連絡が必要)。司法書士との書類確認
契約後1〜2週間引っ越し業者の見積もり・予約。不用品処分の手配
契約後2〜4週間買主のローン本審査承認を待つ。決済日を確定
決済1〜2週間前印鑑証明書・住民票の取得。電気・ガス・水道・ネットの停止(移転)連絡
決済数日前〜前日引っ越し実施。全部屋を空にして最終確認
決済前日〜当日朝買主との現地立ち会い確認(設備・残置物のチェック)
決済当日銀行等で残代金受領・登記・鍵渡し(後述)
【図表1:売買契約から引き渡しまでの標準スケジュール(1〜2ヶ月)】

見落としやすいのが最初の「銀行への一括返済の申し出」です。住宅ローンが残っている場合、決済日にローンを完済して抵当権(ローンの担保として付いている権利)を抹消しますが、金融機関側の手続きに時間がかかるため、決済日が決まったら真っ先に銀行へ連絡してください。連絡が遅れると決済日そのものを動かす羽目になります。

必要書類の詳細は不動産売却の必要書類一覧にまとめているので、あわせてご覧ください。

決済当日の流れ:残代金受領から鍵渡しまで

決済は平日の午前中に、買主がローンを借りる金融機関の応接室などで行うのが一般的です。出席者は売主・買主・双方の不動産会社・司法書士・銀行担当者です。当日の流れを順に見てみましょう。

  1. 司法書士による本人確認と書類確認(権利証・印鑑証明書など登記書類が揃っているかを最初に確認します)
  2. 買主のローン融資実行・残代金の振り込み手続き
  3. 売主口座への着金確認(振込処理に30分〜1時間かかることもあり、当日の待ち時間の大半はここです)
  4. 売主のローン一括返済と抵当権抹消書類の受領
  5. 固定資産税・管理費等の日割り精算金の授受
  6. 仲介手数料の残金・司法書士報酬の支払い
  7. 鍵・関係書類(設備の取扱説明書・保証書等)の引き渡しと「引渡完了確認書」への署名

ここまででおおむね1〜2時間です。着金確認が済み、司法書士が「登記申請できます」と確認した時点で取引は実質完了し、司法書士がその足で法務局に所有権移転と抵当権抹消の登記を申請します。抹消登記の登録免許税は不動産1個につき1,000円です(出典: 法務省民事局 抵当権の登記を抹消するための登記申請手続の案内)。

平日に時間を空けておくことも忘れずに。融資実行が絡むため、決済は土日にはできません。お仕事をされている方は、決済日候補が見えた段階で休みの調整を始めましょう。

固定資産税の日割り精算:計算例つき

決済当日に授受する精算金の代表が固定資産税・都市計画税です。1月1日時点の所有者に1年分が課税されるため、引渡し日以降の分を買主が売主に支払って公平にします。

計算例:年税額12万円、起算日4月1日(関西の慣行。関東は1月1日が多い)、引渡し日10月1日の場合。買主負担は10月1日〜翌3月31日の182日分なので、12万円×182日÷365日=59,835円(円未満切り捨て)。この金額を決済時に買主から受け取ります。検算すると売主負担は183日分で60,165円、合計12万円と一致します。

マンションの場合は管理費・修繕積立金も同じように日割り精算します。精算金は「もらえるお金」ですが、税務上は売却代金の一部として扱われる点だけ頭の隅に置いてください。

引っ越しはいつまでに?「引渡し猶予」の交渉

引っ越しの期限は原則、決済日の前日までです。決済前日か当日朝に買主と現地で最終確認(立ち会い)を行い、空室であること・契約時と状態が変わっていないことを確認してから決済に進むためです。エアコンや照明を残すか外すかは契約時の「設備表」で決めたとおりにし、それ以外の家財は残さないのが鉄則です。残置物は撤去費用の請求トラブルの火種になります。

住み替えで「売却代金を受け取らないと新居の支払いができない」「新居の完成が引き渡しに間に合わない」という場合は、引渡し猶予(決済後も数日〜1週間程度、売主が物件に住み続けることを認めてもらう特約)を交渉する方法があります。ただし注意点が3つあります。

  • 買主にとっては「代金を払ったのに引き渡されない」期間なので、応じてもらえないことも多い(特に買主もローンを組む場合、金融機関が難色を示します)
  • 認められる場合も数日〜1週間程度が限度で、猶予中の火災等の責任分担を特約で明確にする必要があります
  • 売買契約を結ぶ前に交渉するのが大原則です。契約後の申し出は契約違反スレスレの話になってしまいます

一般には、引渡し猶予に頼るより、短期の仮住まいか実家を挟む計画のほうがトラブルは少ないとされます。引っ越しが2回になる費用(数十万円のことも)と天秤にかけて判断しましょう。売却全体の費用感はマンション売却の諸費用 全一覧で確認できます。

引き渡し前後の手続きリスト:公共料金から確定申告まで

引っ越しと決済の前後で必要になる手続きをまとめます。

手続き期限の目安連絡先
電気・ガス・水道の停止(移転)引っ越しの1〜2週間前までに連絡各事業者(ガスの閉栓は立ち会い不要が多い)
インターネット・固定電話1ヶ月前推奨(工事が混みます)回線事業者
転出届・転入届転出は引っ越し前後14日以内・転入は14日以内市区町村窓口
郵便の転送届引っ越し前に(転送は届出から1年間)郵便局・ネット申請可
運転免許証・銀行等の住所変更引っ越し後すみやかに警察署・各金融機関
火災保険の解約引き渡し日に合わせて(長期契約は未経過分の保険料が返金されます)保険会社
確定申告売却した翌年の2月16日〜3月15日税務署

意外と忘れられるのが火災保険の解約返戻金です。長期一括契約の途中で解約すると未経過分が戻ってきます。自動では返ってこないので、必ず自分で保険会社に連絡してください。

確定申告は、売却益が出た場合はもちろん、税金がゼロになる3,000万円特別控除(出典: 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)を使う場合も申告しないと適用されません。「税金がかからないから申告不要」ではない点にご注意ください。個別の税額は事情により異なるため、迷ったら税理士や税務署に確認しましょう。

よくある質問

Q. 契約から引き渡しまでの期間は短くできますか?

買主が現金購入なら2〜3週間まで短縮できることもあります。買主がローンを使う場合は本審査と融資実行に3〜4週間はかかるため、1ヶ月を切るのは難しいのが実情です。逆に「3ヶ月後の引き渡し」など長めに設定する交渉も、契約前なら可能です。

Q. 決済当日に売主が用意する持ち物は何ですか?

権利証(登記識別情報)・実印・印鑑証明書(3ヶ月以内)・本人確認書類・通帳と届出印・鍵一式・(住所が変わっている場合)住民票が基本セットです。事前に司法書士からリストが届くので、それに沿って揃えれば大丈夫です。

Q. 引き渡し後に設備が壊れていたと連絡が来たら、売主の責任ですか?

契約内容によります。個人間売買では「契約不適合責任」(契約と違う状態だった場合の売主の責任)の範囲と期間を特約で決めるのが通例で、設備については「引き渡しから1週間程度は主要設備の故障に対応」とする契約が多いです。だからこそ、設備表を正直に書き、引き渡し前の立ち会い確認を丁寧に行うことが売主自身を守ります。

Q. 引っ越しと決済を同じ日にできますか?

おすすめしません。決済前に空室確認を行う段取りが崩れますし、当日にトラブル(搬出遅れ等)があると決済自体が流れかねません。遅くとも前日までに引っ越しを終えるスケジュールを組みましょう。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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