売却の流れ2026年5月14日

不動産売却の必要書類一覧【いつ・何を用意する?紛失時の対処法も】

必要書類権利証印鑑証明書登記識別情報売却の流れ

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結論:書類は「4つのタイミング」で分けて揃えれば間に合います

不動産売却の必要書類は数が多く見えますが、一度に全部を揃える必要はありません。査定時・媒介契約時・売買契約時・決済(引渡し)時の4つのタイミングに分けて準備すれば十分です。

最初に押さえるべき結論は次の3つです。

  • 査定時は書類ゼロでも依頼できます(あれば査定精度が上がる、という位置づけです)
  • 絶対に欠かせないのは権利証(登記識別情報)・実印・印鑑証明書・本人確認書類の4点で、必要になるのは終盤の売買契約時と決済時です
  • 権利証を紛失していても売却はできます。代わりの手続き(司法書士の本人確認情報など)が用意されているためです

実際の売却で、スケジュールが遅れる原因のトップクラスが「書類の準備待ち」です。特に権利証の紛失と、購入時の売買契約書が見つからないケースは、直前に発覚するとスケジュール全体がずれ込みます。この記事の一覧表で、早めに手元を確認しておきましょう。


タイミング別・物件種別の必要書類 一覧表

まず全体像です。○=必須、△=あれば有利・該当者のみ、を示します。

書類マンション戸建て土地必要になる時期
本人確認書類(運転免許証等)媒介契約時から
権利証(登記識別情報通知)売買契約時に確認・決済時に使用
実印・印鑑証明書(3ヶ月以内)決済時(契約時も求められることあり)
固定資産税納税通知書・評価証明書媒介契約時〜決済時(精算に使用)
住民票(登記上の住所と現住所が違う場合)決済時
購入時の売買契約書・領収書査定時〜確定申告(取得費の証明)
管理規約・長期修繕計画・管理費等の額がわかる書類媒介契約時〜売買契約時
建築確認済証・検査済証売買契約時
確定測量図・境界確認書売買契約時〜決済時
設備の取扱説明書・保証書・リフォーム記録引渡し時
ローン残高証明書(残債がある場合)査定〜媒介契約時
【図表1:必要書類が発生する4つのタイミング(査定・媒介契約・売買契約・決済)】

査定時:書類がなくても依頼できます

査定の申し込み自体に必須書類はありません。所在地と間取りなどの情報があれば、不動産会社は登記情報や周辺事例を自分で調べて査定できます。

ただし、次の2点が手元にあると査定の精度が上がります。

  • 固定資産税納税通知書:毎年4〜6月ごろに市区町村から届く書類で、土地・建物の評価額や面積が正確にわかります
  • 購入時の売買契約書:いくらで買ったかがわかると、売却後の税金(譲渡所得税)の見込みまで含めた資金計画を立てられます

購入時の契約書は査定段階では不要でも、確定申告で取得費(購入代金)を証明する唯一級の資料です。紛失していると原則として売却価格の5%しか取得費にできず、税額が大きく膨らむおそれがあります。売却を考え始めた日に、まず探しておくことを強くおすすめします。

媒介契約時:本人確認書類と登記名義の確認

不動産会社と媒介契約(売却活動を依頼する契約)を結ぶ際は、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)が必要です。宅建業者は法律上、取引時の本人確認が義務づけられているためです。

このタイミングで不動産会社は登記記録を確認します。よくつまずくのが次の2つです。

  • 名義が亡くなった親のまま:相続登記を済ませないと売却できません。詳しくは相続した実家を売る方法で解説しています
  • 住所や氏名が登記時と変わっている:住民票や戸籍の附票で「登記上の人物=現在のあなた」をつなぐ書類が決済までに必要になります

マンションの場合は、管理規約・使用細則・長期修繕計画・管理費と修繕積立金の額がわかる書類もこの段階から集め始めます。管理会社に「重要事項調査報告書」を発行してもらうのが実務上の通例で、発行に1〜2週間と数千円〜2万円程度の手数料がかかります。

売買契約時:実印と印紙、戸建て・土地は境界資料

買主が決まり売買契約を結ぶ日には、次を用意します。

戸建てと土地では、確定測量図・境界確認書の有無が契約条件を左右します。境界が確定していない土地は「引渡しまでに売主の費用負担で確定測量を行う」という条件が付くことが多く、測量費用は数十万円規模、期間も1〜3ヶ月かかります。古い土地をお持ちの方は、売り出し前に測量図の有無を確認しておくとスケジュールが読めます。

決済(引渡し)時:権利証・印鑑証明書・住民票

残代金を受け取り所有権を買主に移す決済日には、書類の最終セットが必要です。

  • 権利証(登記識別情報通知)
  • 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)と実印
  • 住民票(登記上の住所から引っ越している場合)
  • 固定資産税評価証明書(登録免許税の計算用。司法書士から求められます)
  • 鍵一式・設備の取扱説明書・保証書(買主へ引き継ぐもの)
  • 銀行口座の通帳・届出印(残代金の着金確認とローン完済手続き用)

決済当日の詳しい流れは不動産売却の引き渡しと引っ越しのスケジュールにまとめています。

権利証(登記識別情報)を紛失したら:3つの対処法

権利証は再発行できません。しかし、代わりの本人確認手続きが法律で3つ用意されており、紛失していても売却は可能です。

対処法概要費用の目安実務での利用
事前通知制度法務局が売主宛てに本人限定受取郵便を送り、2週間以内に返送して本人確認する郵送実費程度売買ではほぼ使われない
司法書士による本人確認情報司法書士が売主と面談し、本人確認情報を作成して登記申請する3〜10万円程度最も一般的
公証人の認証公証役場で委任状等に本人確認の認証を受ける数千円程度+司法書士報酬費用を抑えたい場合に

事前通知制度が売買で使われないのには理由があります。買主が代金を支払った後に売主が通知へ返送しなければ登記ができず、買主が大きなリスクを負うためです。そのため実務では、決済と同時に登記できる司法書士の本人確認情報が標準になっています。費用は司法書士や物件の数によりますが3〜10万円程度が目安で、通常の登記費用に上乗せになります。

紛失に気づいたら、恥ずかしがらずに早めに不動産会社へ伝えてください。決済日から逆算して司法書士との面談日を組めば、スケジュールへの影響はほとんどありません。当日発覚が一番困ります。

印鑑証明書は「発行後3ヶ月以内」:取り直しに注意

所有権移転登記に添付する印鑑証明書は、発行後3ヶ月以内のものと決められています。ここでの3ヶ月は「決済日(登記申請日)時点で3ヶ月以内」という意味です。

売却活動が長引くと、契約前に取った印鑑証明書が決済までに期限切れになることがよくあります。取り直せば済む話ですが、決済直前は引っ越しや金融機関との調整で忙しく、平日に役所へ行く時間が取れない方も多いです。印鑑証明書は売買契約が済んで決済日が確定してから取得するのが無駄のない順番です。マイナンバーカードがあればコンビニ交付(多くの自治体で窓口より安い)も使えます。

書類の取得先と費用一覧

書類取得先費用の目安
印鑑証明書市区町村窓口・コンビニ交付1通200〜300円程度
住民票市区町村窓口・コンビニ交付1通200〜300円程度
固定資産税評価証明書物件所在地の市区町村(東京23区は都税事務所)1通300〜400円程度
登記事項証明書法務局(オンライン請求可)書面請求600円・オンライン請求送付520円(出典: 法務省 登記手数料について
確定測量図(新規作成)土地家屋調査士に依頼数十万円規模
重要事項調査報告書(マンション)管理会社数千円〜2万円程度

計算例:3,000万円のマンションを売却する場合の書類関係費用を試算します。印鑑証明書2通600円+住民票300円+評価証明書400円+登記事項証明書600円=1,900円。これに契約書の印紙1万円を足しても約1.2万円で、書類そのものの費用は大きくありません。負担が跳ね上がるのは、権利証紛失(+3〜10万円)と測量が必要な土地(+数十万円)の2パターンです。売却全体の費用感はマンション売却の諸費用 全一覧をご覧ください。

よくある質問

Q. 権利証が「登記済証」という古い書類なのですが、使えますか?

使えます。2005年ごろの制度変更より前に登記した物件は紙の「登記済証」、それ以降は12桁のパスワードが記載された「登記識別情報通知」が権利証にあたります。どちらも効力は同じです。

Q. 夫婦共有名義の場合、書類は2人分必要ですか?

必要です。権利証・印鑑証明書・本人確認書類・実印は名義人それぞれの分を用意し、契約・決済にも原則2人とも出席します。どうしても出席できない場合は委任状で代理も可能ですが、金融機関や司法書士との事前調整が必要です。

Q. 住民票やマイナンバーカードだけで権利証の代わりになりますか?

なりません。権利証(登記識別情報)は「所有者本人しか持っていないはずのもの」を確認する仕組みなので、紛失時は本文で紹介した3つの手続きのいずれかが必要です。

Q. 書類はいつから集め始めればいいですか?

査定を申し込む段階で「購入時の売買契約書」と「権利証の所在」の2つだけ確認してください。この2つは紛失時のリカバリーに時間とお金がかかるためです。他の書類は不動産会社の案内に沿って、各タイミングの1〜2週間前に揃えれば間に合います。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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