結論:基準地価は「土地」の値段。マンションの売値は同じ率では動きません
2026年9月15日、令和8年の都道府県地価調査(基準地価)が公表されました。価格の時点は2026年7月1日、全国21,466地点が対象です(出典: 国土交通省 令和8年都道府県地価調査 報道発表)。
神戸市の住宅地は3.3パーセント、商業地は6.3パーセントの上昇でした。中央区の住宅地は5.9パーセント上がっています。兵庫県で最も上がった住宅地は東灘区田中町3丁目の8.8パーセント、2位は中央区中山手通6丁目の7.4パーセントです。
ここで「基準地価が5.9パーセント上がったのだから、うちのマンションも5.9パーセント高く売れる」と考えると、ほぼ確実に外れます。基準地価は更地としての土地1平方メートルの価格であり、マンション1戸の売値を決めているのは、同じ棟・同じ地域で実際にいくらで成約したかという取引事例だからです。後で計算しますが、地価が5.9パーセント上がっても、マンション1戸の売値に理屈のうえで乗るのは1パーセント台にとどまります。
ただし、今年の上昇には売主にとって見逃せない中身があります。県が公表した鑑定評価書を読むと、上がった理由は「何かが建ったから」ではなく「住宅の供給が絞られているところに需要が集まったから」と書かれています。この記事では、その理由まで含めて整理します。
令和8年の基準地価、まず全体の姿
前年(令和7年)と並べます。
| 区分 | 住宅地 令和7年 | 住宅地 令和8年 | 商業地 令和7年 | 商業地 令和8年 |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | 1.0% | 1.0% | 2.8% | 2.9% |
| 三大都市圏 | 3.2% | 3.2% | 7.2% | 7.4% |
| 東京圏 | 3.9% | 4.0% | 8.7% | 8.9% |
| 大阪圏 | 2.2% | 2.3% | 6.4% | 6.8% |
| 名古屋圏 | 1.7% | 1.5% | 2.8% | 2.7% |
| 地方圏 | 0.1% | 0.1% | 1.0% | 0.9% |
出典: 国土交通省 令和8年都道府県地価調査 第2表 圏域別・用途別対前年平均変動率
見出しだけを読むと「全国的に地価が上がった」で終わりますが、上げ幅が広がったのは商業地と三大都市圏です。住宅地の全国平均は1.0パーセント、地方圏の住宅地は0.1パーセントで、どちらも前年と同じでした。
次に兵庫県と神戸市です。ここから景色が変わります。
| 区分 | 住宅地 令和7年 | 住宅地 令和8年 | 商業地 令和7年 | 商業地 令和8年 |
|---|---|---|---|---|
| 兵庫県 | 1.5% | 1.4% | 3.4% | 3.2% |
| 大阪府 | 2.7% | 3.0% | 7.9% | 8.8% |
| 神戸市 | 3.5% | 3.3% | 6.3% | 6.3% |
| 大阪市 | 6.1% | 6.7% | 11.1% | 12.3% |
出典: 国土交通省 第4表 都道府県別・用途別対前年平均変動率、同 第7表 大阪圏の人口10万以上の市の対前年平均変動率
兵庫県は住宅地・商業地とも上昇していますが、上げ幅は前年より縮んでいます。神戸市も住宅地は3.5パーセントから3.3パーセントへ縮小、商業地は6.3パーセントで前年と同じでした。同じ大阪圏でも、大阪市は住宅地・商業地の両方で上げ幅を広げています。
大阪圏の上昇率上位10地点は、住宅地も商業地もすべて大阪市内の地点で、神戸市の基準地は1つも入っていません(出典: 国土交通省 住宅地の上昇率順位表、同 商業地の上昇率順位表)。神戸は上がってはいるものの、圏内で最も勢いのある場所ではない、という位置づけです。
兵庫県は「都市部と地方部の二極化傾向は引き続き認められ、都市部では堅調な需要の下支えにより上昇傾向が継続しているが、金利環境や物価高の影響を反映して上昇幅が縮小する市町が昨年度より多く見られる」と総括しています(出典: 兵庫県 令和8年兵庫県地価調査について)。
神戸9区の変動率。区によって向きが違う
神戸市は区ごとに数字が出ています。前年と並べました。
| 区 | 住宅地 令和7年 | 住宅地 令和8年 | 商業地 令和7年 | 商業地 令和8年 |
|---|---|---|---|---|
| 東灘区 | 5.4% | 4.9% | 8.6% | 8.6% |
| 灘区 | 4.5% | 4.6% | 7.3% | 7.4% |
| 中央区 | 5.9% | 5.9% | 7.5% | 7.5% |
| 兵庫区 | 3.1% | 3.1% | 5.4% | 5.1% |
| 長田区 | 1.2% | 1.6% | 5.5% | 6.1% |
| 須磨区 | 2.8% | 2.7% | 4.5% | 4.6% |
| 垂水区 | 2.5% | 2.3% | 6.1% | 4.8% |
| 北区 | 2.7% | 2.4% | 2.6% | 2.3% |
| 西区 | 3.4% | 3.8% | 4.9% | 4.6% |
出典: 前掲 国土交通省 第7表
同じ市内でも、住宅地の上げ幅が広がった区(灘区・長田区・西区)と、縮んだ区(東灘区・須磨区・垂水区・北区)に分かれています。垂水区の商業地は6.1パーセントから4.8パーセントへ、1.3ポイント縮みました。
そしてもう1つ、表を読むときに欠かせない事実があります。この変動率のもとになっている基準地の数は、住宅地で神戸市全体102地点、区ごとでは中央区6地点、灘区9地点、兵庫区5地点しかありません。商業地はさらに少なく、灘区と須磨区は各3地点です(出典: 前掲 国土交通省 第7表)。数万戸の住宅がある区の「平均」が、数地点の動きで代表されているわけです。区の数字は方向を知る材料にはなりますが、自分の家の値段の代わりにはなりません。

兵庫県で一番上がったのはどこか。トップ5の地点
県内692地点のうち、上昇率が高かった5地点です。住居表示で示します。
住宅地
| 順位 | 所在地 | 令和8年の価格 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 神戸市東灘区田中町3丁目(田中町3-5-13) | 51万8,000円/㎡ | +8.8% |
| 2 | 神戸市中央区中山手通6丁目(中山手通6-4-30) | 58万2,000円/㎡ | +7.4% |
| 3 | 芦屋市大原町(大原町17-7) | 80万5,000円/㎡ | +7.3% |
| 4 | 神戸市灘区灘南通3丁目(灘南通3-3-15) | 38万8,000円/㎡ | +7.2% |
| 5 | 神戸市灘区泉通5丁目(泉通5-2-6) | 44万2,000円/㎡ | +7.0% |
商業地
| 順位 | 所在地 | 令和8年の価格 | 変動率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 芦屋市業平町(業平町2-10) | 105万円/㎡ | +12.9% |
| 2 | 神戸市中央区元町通1丁目(元町通1-11-17) | 370万円/㎡ | +11.1% |
| 3 | 西宮市高松町(高松町5-39) | 150万円/㎡ | +11.1% |
| 4 | 神戸市中央区三宮町1丁目(三宮町1-7-5) | 845万円/㎡ | +10.5% |
| 5 | 芦屋市公光町(公光町11-7) | 92万5,000円/㎡ | +10.1% |
出典: 前掲 兵庫県「令和8年兵庫県地価調査について」変動率上位順位表
住宅地の上位5地点のうち4つが神戸市で、東灘・灘の「JR駅に近い平坦な住宅地」と、中央区の「山手の住宅地」に分かれます。中央区中山手通6丁目は中央区で上昇率1位、県内では2位でした。三宮町1丁目の845万円は9年連続で県内の商業地で最も高い価格です。

なぜ上がったのか。鑑定評価書に書かれた理由
基準地の価格は、地点ごとに不動産鑑定士が鑑定評価書を書いて決めています。兵庫県はこの評価書を区市ごとに公表しており、そこには「なぜこの価格になったか」が文章で残っています(出典: 兵庫県地価調査(市区町別鑑定評価書))。上位の地点を読むと、理由は大きく2つに分かれます。
1つめ。目の前で再開発が進んでいる地点。 芦屋市業平町(商業地1位)の評価書には「同駅南部の再開発及び駅整備による機能向上が見込まれる。商業地の供給量の少なさに加え、国道沿いの立地稀少性を背景に、地価は強い上昇傾向にある」とあります。JR芦屋駅南地区では約1ヘクタールの再開発が2026年1月に着工し、2029年9月の完成予定です(出典: 芦屋市 JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業 事業スケジュール)。三宮町1丁目も「神戸空港の国際化も始まり、市街地再開発事業の期待感もあり」「インバウンドによる外国人観光客も数多く見られる」と書かれています。
2つめ。何も建っていないのに上がっている地点。 こちらのほうが多く、住宅地の上位5地点はすべてこの型です。県内1位の東灘区田中町3丁目の評価書には「特段の地域要因の変動はみられない」としたうえで「東灘区においては住宅地の供給が限られている一方で需要は根強く、地価は上昇傾向が継続している」とあります。県内2位の中山手通6丁目も「地域要因の特段の変動はない」「個別的要因に変動はない」と明記されたうえで、「都心回帰傾向が進み中央区の人口は増加している」「近隣のマンション需要等は旺盛で地価上昇圧力が強く、今後も地価は上昇傾向で推移すると予想される」と書かれています。
つまり、周りの景色は変わっていないのに値段だけが上がった。鑑定士が挙げている理由は「供給が少ない」「需要が旺盛」の2つです。この2つは、公表されている統計で裏が取れます。
- 神戸市の新築分譲マンションの発売戸数は、2026年上半期(1〜6月)で396戸。前年同期の575戸から31.1パーセント減りました。一方、平均価格は6,593万円で28.7パーセント上がっています(出典: 不動産経済研究所 近畿圏 新築分譲マンション市場動向 2026年上半期)
- 神戸市中央区の人口は2025年の1年間で1,741人増え、増加率1.16パーセントは県内41市区町で最も高い数字でした(出典: 兵庫県統計課 兵庫県の人口動態 2025年)
- 神戸市に宿泊した外国人は2025年に140.7万人で、前年の約1.5倍になりました(出典: 神戸観光局 2025年神戸市延べ宿泊者数)
新築の供給が減って値段が上がれば、買い手の一部は中古に向かいます。これは中古マンションを売る側にとって不利な材料ではありません。ただし、それがそのまま「うちの部屋も上がる」につながらない理由を、次で見ていきます。

なぜ「基準地価が上がった=自宅マンションが上がった」にならないのか
理由は3つあります。
1つめ。基準地価は土地だけの価格です。 基準地の価格は、その土地に建物がない更地として評価した1平方メートルあたりの金額です。マンションの売値は、土地の持分に建物の価値を足したものとして市場で決まります。建物は古くなれば評価が下がるので、土地が上がっても相殺されることがあります。
2つめ。1戸が持つ土地の割合は小さいです。 分譲マンションでは、敷地の権利を戸数で分け合っています。敷地の価値が6パーセント上がっても、1戸に届くのは持分の分だけです。
3つめ。時点も地点も違います。 令和8年の基準地価は2026年7月1日時点の価格です。あなたが売り出すのは今日以降で、買主が見るのは直近の成約事例です。さらに、基準地はあなたのマンションの敷地ではなく、同じ区のどこか別の地点です。
基準地価は「地域の地面の相場が去年よりどちらを向いたか」を示す方位磁針であって、値札ではありません。
計算例:地価が5.9パーセント上がると、1戸あたりいくら増えるのか
具体的な数字で見ます。以下は仮の設定で、実在の物件ではありません。
- 敷地面積1,500平方メートル、総戸数60戸のマンション
- 敷地の土地単価が50万円/平方メートル
- あなたの部屋の専有面積70平方メートル、敷地権の割合は1万分の167(専有面積で按分した想定)
- 売出価格4,500万円
敷地全体の土地としての価値は、1,500平方メートル × 50万円 = 7億5,000万円です。あなたの持分1.67パーセントにあたる土地の価値は、7億5,000万円 × 1.67パーセント = 1,252万5,000円になります。
ここで基準地価と同じ5.9パーセントだけ土地が上がったとします。
- 敷地全体の増加額:7億5,000万円 × 5.9パーセント = 4,425万円
- あなたの持分に届く額:4,425万円 × 1.67パーセント = 73万8,975円
検算します。1,252万5,000円 × 1.059 = 1,326万3,975円。差額は73万8,975円で一致します。
売出価格4,500万円に対する73万9,000円は、約1.6パーセントです。土地が5.9パーセント上がっても、1戸の値段に理屈のうえで乗るのは1.6パーセント程度にとどまります。しかもこの間、建物は1年ぶん古くなっています。
敷地が広く戸数が少ないマンションほど持分は厚く、タワーマンションのように戸数が多い棟ほど持分は薄くなります。同じ「地価5.9パーセント上昇」でも、棟によって効き方が違うのはこのためです。タワー特有の事情は神戸市のタワマン規制とはでも扱っています。

神戸の実際の成約単価はどう動いたか
では実際の取引はどうだったのか。近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)が毎月公表している市況レポートから、神戸市の中古マンションの成約データを集計しました。基準地価の対象期間に合わせ、2024年8月から2025年7月までの12か月と、2025年8月から2026年7月までの12か月を、成約件数で加重した専有面積1平方メートルあたりの成約単価で比べています。
| 区 | 前の12か月 | 直近12か月 | 変化 | 参考:住宅地の基準地価 |
|---|---|---|---|---|
| 中央区 | 64.58万円 | 68.47万円 | 6.0%上昇 | 5.9%上昇 |
| 灘区 | 43.44万円 | 46.60万円 | 7.3%上昇 | 4.6%上昇 |
| 東灘区 | 42.55万円 | 45.72万円 | 7.5%上昇 | 4.9%上昇 |
| 中心3区(中央・灘・東灘) | 50.73万円 | 53.74万円 | 5.9%上昇 | — |
出典:公益社団法人 近畿圏不動産流通機構「近畿圏市況レポート」(2026年9月号まで)を基に URUMAE が作成/基準地価は前掲 国土交通省 第7表
中央区は基準地価5.9パーセントに対して成約単価6.0パーセントとほぼ揃いました。一方、灘区は基準地価4.6パーセントに対して成約単価7.3パーセント、東灘区は4.9パーセントに対して7.5パーセントで、土地の数字より大きく動いています。同じ市内でも「地価と同じくらい動いた区」と「地価より大きく動いた区」があり、地価の変動率をそのまま自宅に当てはめると、区によって上にも下にも外れます。
灘区・東灘区で成約単価のほうが大きく動いたことは、前の章で見た「新築の供給が減り、需要が中古に向かっている」という説明と矛盾しません。ただ、この成約単価そのものも慎重に扱う必要があります。集計を1か月だけずらし、2024年9月から2025年8月と、2025年9月から2026年8月で比べ直すと、中央区は65.84万円から68.25万円、つまり3.7パーセントの上昇になります。同じデータ、同じ計算方法で、期間の窓を1か月動かしただけで6.0パーセントが3.7パーセントに変わります。
理由は成約件数の少なさです。中央区の成約は月31件から65件、灘区にいたっては月11件から44件しかありません。1か月に数件、面積の大きい部屋や新しい棟が混じるだけで平均が動きます。査定書や広告で「この地域は前年比プラス何パーセント」という一文を見たときは、期間の取り方と件数を必ず確認してください。自分で相場を確かめる手順は家を高く売る準備にまとめています。

基準地価と公示地価の違い、自分の地域の調べ方
「土地の公的な価格」としてニュースに出るものは、年に2回あります。混同しやすいので整理します。
| 名称 | 公表元 | 価格の時点 | 公表時期 |
|---|---|---|---|
| 地価公示(公示地価) | 国土交通省 | 1月1日 | 毎年3月 |
| 都道府県地価調査(基準地価) | 各都道府県 | 7月1日 | 毎年9月 |
どちらも土地の価格である点は同じで、同じ地点が両方に選ばれていれば年2回の定点観測になります。今回の数字は9月の基準地価です。3月の公示地価と混ぜると数字がずれるので、記事や査定書を読むときは「どちらの調査か」を先に確認してください。
自宅に近い地点を見るには、国土交通省の不動産情報ライブラリで地図から地価公示・都道府県地価調査の地点を探します。兵庫県は地点ごとの価格一覧と鑑定評価書を県のサイトで公表しています。
見るべきは、地点の価格そのものより、同じ地点の去年との差と、周辺の複数地点が揃って同じ向きかどうかです。近い地点が3つとも同じ方向を向いていれば、その地域の傾向として信用できます。
いま売り出すべきか、待つべきか
結論を押し付けるつもりはありません。今回の発表から読み取れる材料だけを並べます。
待つ側に立つ材料
- 神戸市の住宅地の基準地価は14年連続の上昇で、今年も3.3パーセント上がっている(出典: 神戸新聞NEXT 2026年9月15日)
- 中央区・灘区の商業地は7パーセント台の上昇が続いている
- 神戸市中心3区の中古マンション成約件数は、直近12か月で1,495件と前の12か月の1,302件から増えている
- 神戸市の新築マンション供給は前年同期比で3割減り、買い手の目が中古に向きやすい
急ぐ側に立つ材料
- 兵庫県も神戸市も、住宅地の上げ幅は前年より縮んでいる。上昇が加速している局面ではない
- 大阪圏の上昇率上位10地点は住宅地・商業地とも大阪市内で占められ、神戸の地点は入っていない
- 県は「金利環境や物価高の影響を反映して上昇幅が縮小する市町が昨年度より多く見られる」としている
- 建物は待っている間も古くなる。築年数が10年区切りの境目(築20年・築30年など)を越えると、買主の検索条件から外れることがある
条件別に整理すると、次のようになります。
| あなたの状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 築浅で、すぐに住み替える必要がない | 急いで動く理由は薄い。地価も成約件数も上向き |
| 築25年前後で築30年に近づいている | 待つ間の値上がりと、築年数の区切りを越える不利を比べる |
| 相続した部屋で、誰も住んでいない | 地価の動きより、管理費や修繕積立金が毎月出ていくことが効く。売る時期は早めに決める |
| 転勤など時期が決まっている | 相場を待つ判断は取れない。売り方の準備に時間を使う |
| 土地値に近い古い戸建て | 基準地価の影響が相対的に大きい。地点別の数値を確認する |
なお、ここに書いたのはあくまで公表された統計から読み取れることです。個別の物件がいくらで売れるかは、棟の管理状態・階数・向き・同じ棟に他の売り物件があるかどうかで大きく変わります。
よくある質問
Q. 基準地価と公示地価は何が違うのですか?
調査主体と時点が違います。公示地価は国土交通省が1月1日時点で調べて3月に公表し、基準地価は各都道府県が7月1日時点で調べて9月に公表します。同じ地点が両方に選ばれていることもあり、その場合は年2回の定点観測になります。どちらも土地の価格である点は同じです。
Q. 基準地価が上がったと不動産会社に言われました。査定額の根拠になりますか?
地域の方向を示す補助的な材料にはなりますが、査定額の直接の根拠にはなりません。中古マンションの査定は、同じ棟や近隣の成約事例をもとに、階数・向き・専有面積・管理状態で補正して出すのが一般的です。査定書に成約事例が載っていない場合は、どの事例を使ったのかを聞いてみてください。
Q. 神戸市で最も上がったのはどこですか?
区の平均では、令和8年の住宅地は中央区の5.9パーセントが9区で最も高く、次いで東灘区の4.9パーセント、灘区の4.6パーセントでした。商業地は東灘区の8.6パーセントが最も高く、中央区が7.5パーセント、灘区が7.4パーセントと続きます(出典: 前掲 国土交通省 第7表)。地点で見ると、住宅地は東灘区田中町3丁目の8.8パーセント(県内1位)、中央区中山手通6丁目の7.4パーセント(県内2位)、商業地は中央区元町通1丁目の11.1パーセント(県内2位)でした。
Q. 中山手通6丁目のように「何も建っていないのに上がる」のはなぜですか?
鑑定評価書には「地域要因の特段の変動はない」と書かれたうえで、「近隣のマンション需要等は旺盛で地価上昇圧力が強い」とあります。地価は取引事例で決まるので、周りの景色が変わらなくても、土地を買いたい人が増えれば上がります。神戸市の新築マンション供給が前年同期比で3割減っていることが、その背景にあります。
Q. 来年まで待てば、もっと高く売れますか?
分かりません。今年の神戸市は住宅地の上げ幅が前年より縮んでおり、上昇が加速している状態ではありません。仮に地価が来年も同じだけ上がったとしても、この記事で計算したとおりマンション1戸に届くのは売出価格の1パーセント台にとどまる一方、建物は1年ぶん古くなります。地価の予想ではなく、住み替えや相続の事情から逆算して決めるほうが現実的です。
売る前に、いまの相場を確かめておきませんか
基準地価は方位磁針です。自分の部屋がいくらで売れそうかは、同じ棟・同じ町丁目の成約事例を見て初めて分かります。
- 町丁目別の相場を見る — 国土交通省の実際の取引データをもとに、神戸市の町丁目別の成約価格帯を無料で公開しています
- 不動産の一括査定とは — 複数の不動産会社に同時に査定を頼む仕組みと、使う前に知っておく注意点を、売主の立場で整理しました
査定は、売却価格の幅を知るためのものです。各社の査定額が妥当かどうかは、先に自分で相場の見当をつけておくと判断できます。
※本記事の変動率は国土交通省・兵庫県が公表した令和8年都道府県地価調査(2026年9月15日公表)、鑑定評価書の引用は兵庫県が公表した令和8年地価調査の鑑定評価書、成約単価は近畿圏不動産流通機構の公表資料に基づく集計です。個別の物件の価格は事情によって異なります。最終判断は不動産会社にご確認ください。

