神戸・阪神間2026年7月22日

神戸市の相続空き家を売却する方法【3,000万円控除・市の解体補助も】

神戸市空き家相続3000万円控除解体補助

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結論:神戸市の相続空き家は「3年以内の売却」を軸に動くと税負担を大きく減らせます

神戸市で実家などを相続し、空き家の扱いに悩んでいる方に、先に結論をお伝えします。相続空き家は、要件を満たして売却すれば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(相続空き家の3,000万円特別控除)があり、適用期限の目安は「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です(出典: 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)。放置すればするほど、税制上の選択肢も建物の状態も悪くなります。「いつか考える」ではなく、3年をひとつの締切として動くことが、神戸の相続空き家では最も合理的です。

神戸市には、この特例に必要な確認書の発行窓口や、老朽空き家の解体補助制度も整っています。この記事では、神戸市の空き家の現状データから、売却手順、特例の要件、市の補助制度、放置した場合のリスクまで、地元・神戸の視点で一通り解説します。


神戸市の空き家事情:11.8万戸・空き家率13.9%

まず現状のデータです。総務省の住宅・土地統計調査(5年ごとの国の統計)に基づく神戸市の集計によると、2023年(令和5年)時点の神戸市の空き家は118,400戸、空き家率は13.9%で、前回調査(2018年)から0.6ポイント上昇しました。区別では兵庫区の20,500戸が最多です(出典: 神戸市 令和5年住宅・土地統計調査 調査結果)。

内訳を見ると重要な事実がわかります。空き家のうち「腐朽・破損あり」は11.0%にとどまり、89.0%は腐朽・破損のない、活用や売却が可能な空き家です。一方で、賃貸用でも売却用でもない「使用目的のない空き家」が27.8%を占めます。つまり神戸市の空き家問題の中心は「壊れた家」ではなく、「使い道が決まらないまま置かれている家」なのです。相続した実家がこの状態になる前に、方針を決めることが大切です。

【図表1:神戸市の空き家118,400戸の内訳(腐朽・破損なし89.0%・使用目的のない空き家27.8%)出典:神戸市】

相続空き家を売却する手順:5つのステップ

神戸市で相続した空き家を売却する基本手順です。

  1. 相続登記を済ませる。2024年4月から相続登記は義務化されており、相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由なく怠った場合は過料(罰金に似た金銭負担)の対象になり得ます(不動産登記法76条の2)。登記しないと売却もできません。遺産分割協議(相続人全員での分け方の話し合い)が済んでいない場合は、まずここからです。
  2. 現況を把握する。建物の傷み具合、残置物(家財)の量、境界の状況、接道(前面道路との関係)を確認します。神戸の山手では擁壁の状態も重要です。
  3. 売り方を選ぶ。そのまま売る(古家付き土地)、解体して更地で売る、不動産会社の買取を使う、の3択が基本です。どれが有利かは立地と建物状態で変わるため、複数パターンで査定を取ってください。
  4. 税制特例の適用可否を確認する。後述の3,000万円控除が使えるかどうかで手取りが数百万円変わります。売り方(更地か古家付きか)と特例の要件が絡むため、売却前に確認するのが鉄則です。
  5. 売却して翌年に確定申告する。特例の適用には確定申告が必須です。税額が0円になる場合でも申告が必要です。

実家の相続で「そもそも売るべきか、誰が相続するか」から整理したい方は、相続した実家のチェックポイントもご覧ください。

空き家の3,000万円控除:要件と神戸市での確認書発行窓口

相続空き家の売却で最大の節税策が、この特例です。主な要件を整理します(出典: 前掲の国税庁No.3306)。

要件内容
建築時期1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋
建物の種類区分所有建物(分譲マンション等)でないこと
居住状況相続開始の直前に被相続人(亡くなった方)が一人で居住していたこと
相続後の利用売却まで事業・貸付・居住に使っていないこと
売却期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年12月31日までの売却
譲渡価額1億円以下
耐震要件耐震基準を満たすか、更地にして売る(2024年以降の売却は、売却後翌年2月15日までに買主が耐震改修・解体する方法も可)
控除額最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は1人2,000万円)

効果を計算例で確認しましょう。相続した実家を2,000万円で売却し、取得費が不明(概算取得費として売却価格の5%=100万円)、譲渡費用が70万円の場合、譲渡所得は2,000万円−100万円−70万円=1,830万円です。特例が使えなければ長期譲渡の税率20.315%で約371.8万円の税金がかかりますが(1,830万円×20.315%=371.76万円)、特例が適用できれば譲渡所得は全額控除され、税額は0円になります。この差は決定的です。

適用には、市区町村が発行する被相続人居住用家屋等確認書が必要です。神戸市の発行窓口は建築住宅局建築指導部安全対策課で、申請は郵送で行い、交付まで2週間程度かかります(出典: 神戸市 空き家対策等にかかる特別控除)。譲渡の時期により必要書類が異なるため、申請前に上記の市のページで最新の様式を確認してください。要件の細かい判定は個別の事情で変わるため、最終的には税務署か税理士への確認をおすすめします。

特例のさらに詳しい解説は空き家の3,000万円控除 完全ガイドにまとめています。

神戸市の解体補助:老朽空家等解体補助制度

「建物が傷みすぎていて、解体しないと売れない」というケースでは、神戸市の補助制度が使える場合があります。

神戸市の老朽空家等解体補助制度は、市内にある1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた腐朽・破損のある空き家の解体費用を補助する制度です。補助額は床面積に応じて算出され、一般の建物で最大60万円、共同住宅等で最大100万円。令和8年度の申請期間は2026年3月2日から2027年1月12日までです(出典: 神戸市 老朽空家等解体補助制度)。

利用にあたって、現場から2つの重要な注意点をお伝えします。

  • 交付決定前に契約・着工すると補助対象外になります。解体業者との契約は、必ず市の交付決定通知を受け取ってからにしてください。急いで解体してから申請しても間に合いません。
  • 相談・申請は予約制です。窓口は神戸市すまいの総合窓口「すまいるネット」で、老朽空家解体補助の専用ダイヤル(078-647-9969)への事前予約が必要です。

なお、補助制度は年度ごとに内容や予算枠が見直されます。この記事の内容は2026年7月時点のものですので、実際に動く際は必ず市の最新情報を確認してください。予算枠に達すると期間内でも受付が終わることがあります。

放置するとどうなるか:特定空家と固定資産税

「売るのも解体するのも面倒だから、当面そのまま」——これが一番危険な選択です。

空家等対策特別措置法(空き家の管理と対策を定めた法律)により、倒壊のおそれや衛生上の問題がある空き家は特定空家に、その予備軍は管理不全空家に指定され得ます。市から勧告を受けると、住宅用地特例(住宅の敷地の固定資産税の課税標準を最大6分の1にする軽減)が解除され、土地の固定資産税が実質的に大きく跳ね上がります。2023年12月の法改正で、特定空家になる前の管理不全空家の段階から勧告・特例解除が可能になり、行政の対応は早期化しています(出典: 国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報)。

さらに神戸特有の事情として、山手の空き家は擁壁の劣化や樹木の越境が近隣トラブルに発展しやすく、海側の密集市街地では防犯・防火の観点から近隣の目も厳しくなります。加えて、放置している間にも3,000万円控除の期限(相続から3年目の年末)は刻々と近づきます。税制・維持費・近隣関係のすべてが、時間の経過とともに悪化する。これが空き家放置の本質です。

迷ったら:売却・活用・解体の判断基準

  • 駅徒歩圏・平坦地の実家: 古家付きでも土地需要が強いため、そのまま売却が第一候補です。解体費をかける前に査定を取ってください。
  • 山手・坂の上の実家: 買主層が限られるため、価格設定と販売戦略が重要です。地元の地形に詳しい業者への相談が有効です。
  • 腐朽・破損が進んだ実家: 解体補助の活用と更地売却、または買取業者への売却を比較します。
  • 賃貸に出す選択肢: 神戸市の空き家の過半は賃貸用として市場に出ていますが、旧耐震の戸建て賃貸は修繕負担が重く、個人には難易度が高いのが実情です。安易な賃貸より売却で現金化し、相続人間で分けやすくする方が揉めにくいと感じています。

神戸市の売却市場全体の状況は神戸市で不動産売却を成功させる7つのポイントで解説しています。

よくある質問

Q. 相続した実家が旧耐震です。耐震改修しないと3,000万円控除は使えませんか?

更地にして売る方法でも適用できます。また2024年以降の売却では、売却後に買主が翌年2月15日までに耐震改修または解体を行う方式も認められ、使いやすくなりました。契約書にその旨を盛り込む必要があるため、特例を使いたいと最初に不動産会社へ伝えてください。

Q. 確認書の申請は売却の前ですか、後ですか?

確認書は確定申告で提出するため、取得自体は売却後でも間に合います。ただし発行には2週間程度かかり、必要書類(電気・ガスの閉栓証明や売買契約書の写しなど)の準備にも時間がかかるため、売却が決まったら早めに神戸市のページで書類を確認して動くことをおすすめします。

Q. 兄弟3人で相続した実家を売る場合、控除はどうなりますか?

2024年1月1日以降の売却では、相続人が3人以上の場合は1人あたりの控除上限が2,000万円になります。それでも3人合計では大きな控除です。共有名義のまま全員で売却し、それぞれが確定申告する形が一般的ですが、分け方で税額が変わることがあるため税理士への相談をおすすめします。

Q. 解体補助を使って更地にしてから売る方が得ですか?

一概には言えません。補助を使っても解体費の自己負担は残りますし、更地にすると土地の固定資産税の軽減がなくなります。一方、老朽家屋が残ったままでは買主がつきにくいのも事実です。「古家付きの査定」と「解体費・補助を織り込んだ更地の査定」を並べて比較するのが確実です。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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