相続

親が亡くなったら家はどうする?相続の期限と、実家の方針を決める順番

実家の玄関の棚に並べた封筒と鍵(写真風のAI生成画像)
本文の場面を表す写真風のAI生成画像です。実在の物件・人物・現地・契約書類を撮影した写真ではありません。

親が亡くなった後、実家は何から手を付ける?

「家を売るか、残すか。今すぐ決めないといけない?」。相続登記の3年という期限は、実家を売る期限ではありません。まず期限のある手続きと、家の使い方を分けて考えましょう。

最初に確認するのは、相続人・遺言・財産と借金・家の名義です。売却を急ぐより先に、相続するかどうかを判断する資料を集めます。家族で保管場所と担当者を共有すると、同じ調査を繰り返さずに済みます。

期限は、何を知った日から数えるかが違う

家の相続で押さえたい主な期限をまとめます。すべてを死亡日から数えるわけではありません。

手続き原則の期限・起算点
相続放棄自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内
準確定申告(必要な場合)相続の開始を知った日の翌日から4か月以内
相続税の申告・納付(必要な場合)親が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内
相続登記自己のために相続が開始したことと、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内

死亡届や健康保険などの手続きは、この表とは別です。自治体の窓口でも必要な届出を確認してください。ここでは実家の相続判断につながる手続きに絞ります。

3か月の判断前は、勝手に売却・解体しない

相続放棄は、家庭裁判所への申述が必要です。空き家だけを選んで放棄し、預金だけ受け取ることはできません。先に相続財産を売ったり取り壊したりすると、原則として単純承認とみなされ、放棄できなくなるおそれがあります。

財産を調べることと処分することは別です。保存行為などの例外はありますが、修繕や遺品整理の範囲に迷う場合は、実行前に弁護士へ相談します。相続放棄と不動産の注意点も確認してください。

調査が終わらず判断できない場合には、期限内に期間伸長を申し立てる方法があります。裁判所の申述案内で手続きを確認できます。査定依頼や家族との話し合いだけでは、期限は止まりません。

税の申告は、家の名義や分け方の決定を待てない

親に申告すべき所得があれば、準確定申告を確認します。相続税とは別の、親の所得税の手続きです。

相続税も、家がある人全員に申告義務が生じるわけではありません。ただし、預金の残高や不動産の査定額だけで申告不要とは決められません。遺産全体を税の評価方法で確認し、債務や生前贈与、適用する特例も含めて判断します。

申告が必要なら、国税庁が案内する10か月の期限までに対応します。税額が特例でゼロになる場合でも、申告が必要なことがあります。

例えば、親の死亡を2026年1月6日に知った通常のケースなら、申告期限は2026年11月6日です。遺産分割がまとまっていなくても期限は延びません。未分割のままの申告方法を、税理士や税務署に確認してください。

相続登記の3年は、売却の期限ではない

2024年4月1日から、相続による所有権移転登記の申請が義務化されています。取得したと知った日などの起算点を確かめ、法務局や司法書士に相談します。

義務化前の相続も対象です。2024年4月1日より前に相続による取得を知っていた未登記の不動産は、原則2027年3月31日までに対応します。取得を知ったのが2024年4月以降なら、原則その知った日から3年以内です。祖父母の名義のままなら、前の相続も含めて確認が必要です。

分割協議がまとまらず通常の相続登記が難しい場合には、「相続人申告登記」で基本的な義務を履行する方法があります。ただし、これは売却に必要な所有権移転登記の代わりにはなりません。その後の遺産分割で所有権を取得した場合は、原則として分割の日から3年以内に登記が必要です。

根拠は不動産登記法76条の2・76条の3と附則です。売却の準備相談と並行して、買主への名義移転までに必要な相続登記を整えます。

注意点:家の使い方を決める間も、管理と費用を整理する

住む・貸す・売るの判断には、それぞれの見積もりが必要です。住むなら改修費、貸すなら修繕費・空室時の負担、売るなら費用を引いた手取りを確認します。「古いから売れない」「貸せば維持費を賄える」とは決めつけません。

判断中は、誰が家を確認し、誰が保険や手入れの費用を立て替えるかを共有します。支払いの領収書や補修記録も残してください。相続放棄を検討中の人は、管理の方法も専門家に確認します。

売却時の税の特例には、登記とは別の条件と期限があります。家を貸したり解体したりする前に、利用できる制度を確認しておきましょう。

手続きの期限と、家を手放す時期は分けます。

よくある質問

Q. 家の査定は、相続登記が済むまで頼めませんか?

資料収集や価格の相談は先に進められます。実際の売却は、遺言・相続人・権利関係と必要な登記を確認して進めてください。

Q. 兄弟で話し合いがつかない間は、何もしなくてよいですか?

申告や登記の期限は別に進みます。未分割の申告、相続人申告登記など、期限内にできる対応を相談しましょう。

Q. 放棄すれば空き家の管理は不要ですか?

放棄時に家を現に占有している場合は、相続人または相続財産清算人への引渡しまで保存義務が残ります。家だけを選ぶ放棄もできません。

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本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

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