費用・税金2026年4月2日

不動産の仲介手数料はいくら?計算式・上限早見表・値引き交渉の全知識【2026年】

仲介手数料計算方法不動産売却値引き交渉低廉な空家等の特例

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結論:400万円超の物件なら「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です

不動産の仲介手数料は、宅建業法(宅地建物取引業法。不動産取引のルールを定めた法律)で上限が決められています。売買価格が400万円を超える場合、上限は速算式で「売買価格×3%+6万円+消費税10%」です。たとえば2,500万円で売却した場合の上限は、2,500万円×3%+6万円=81万円、消費税込みで89万1,000円になります。

重要なポイントは3つです。第一に、この金額は「法律で決まった定価」ではなくあくまで上限であり、これを超えて請求することはできません。第二に、仲介手数料は成功報酬なので、売買契約が成立しなければ支払い義務はありません。第三に、2024年7月の制度改正で、800万円以下の物件については「低廉な空家等の特例」により上限が最大30万円+税(税込33万円)に変わりました。

ところで、「3%+6万円」の「6万円」が何なのか、なぜ足されるのかまでご存じの売主の方はほとんどいません。この記事では、速算式の根拠となる段階計算から、価格帯別の早見表、値引き交渉の現実、「仲介手数料無料」のからくりまで、売る前に知っておきたい知識をすべて解説します。


仲介手数料の計算式:「+6万円」の正体は段階計算の調整額です

宅建業法にもとづく報酬告示では、仲介手数料の上限は売買価格を3つの帯に分けて、帯ごとに異なる料率を掛けて計算すると定められています。

売買価格の区分上限料率(税抜)
200万円以下の部分5%
200万円超〜400万円以下の部分4%
400万円超の部分3%

ここで大切なのは「〜の部分」という言葉です。たとえば1,000万円の物件なら、1,000万円全体に一つの料率を掛けるのではなく、次のように帯ごとに計算して合算します。

  • 200万円以下の部分:200万円×5%=10万円
  • 200万円超〜400万円以下の部分:200万円×4%=8万円
  • 400万円超の部分:600万円×3%=18万円
  • 合計:10万円+8万円+18万円=36万円(税抜)

この3段階の計算を毎回やるのは手間なので、実務では速算式が使われます。400万円超の物件では、全体に3%を掛けると最初の2つの帯の分が不足します。不足分は「200万円×(5%−3%)=4万円」と「200万円×(4%−3%)=2万円」の合計6万円。これが速算式の「+6万円」の正体です。実際、1,000万円×3%+6万円=36万円となり、段階計算と一致します。

なお、200万円超〜400万円以下の物件の速算式は「売買価格×4%+2万円」、200万円以下は「売買価格×5%」です。

価格帯別の仲介手数料 早見表【消費税10%込み】

売買価格ごとの上限額をまとめました。ご自身の想定売却価格に近い行をご覧ください。

【図表1:売買価格別の仲介手数料上限(500万円23.1万円〜5,000万円171.6万円)出典:報酬告示より計算】
売買価格上限額(税抜)上限額(税込10%)
500万円21万円23万1,000円
800万円30万円33万円
1,000万円36万円39万6,000円
1,500万円51万円56万1,000円
2,000万円66万円72万6,000円
2,500万円81万円89万1,000円
3,000万円96万円105万6,000円
4,000万円126万円138万6,000円
5,000万円156万円171万6,000円

こうして並べると、仲介手数料が売却の諸費用の中で最大の項目であることがわかります。売却でかかる費用の全体像は不動産売却の費用一覧で確認できます。

800万円以下は要注意:低廉な空家等の特例【2024年7月改正】

2024年7月1日に報酬告示が改正され、売買価格800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)については、通常の上限計算に代えて、依頼者の一方につき最大30万円+消費税(税込33万円)まで受領できる特例が設けられました(出典: 国土交通省 不動産業による空き家対策推進プログラム(宅地建物取引業者報酬額規定))。

たとえば500万円の物件なら、通常の上限は税込23万1,000円ですが、特例を使えば最大33万円まで請求できることになります。「上限が上がるなんて売主に不利では」と感じるかもしれませんが、これは低価格帯の物件で調査や販売活動の手間に報酬が見合わず、不動産会社が仲介を敬遠して空き家が放置される問題への対策です。

売主として押さえておくべき点は2つです。第一に、この特例を使うには、媒介契約を結ぶ前に不動産会社が報酬額について説明し、売主と合意することが必須とされています。契約後に一方的に上乗せされることはありません。第二に、あくまで上限であり、通常の計算による金額で受ける会社もあります。相続した地方の実家など低価格帯の物件を売る方は、媒介契約前に手数料の説明を必ず受けてください。

仲介手数料の値引き交渉:可能だが、おすすめしない理由

「手数料は値引きできるのか」という疑問を持つ売主の方は少なくありません。率直に言えば、交渉自体は可能です。上限額は法律上の天井であって、金額は本来、不動産会社と依頼者の合意で決まるものだからです。

ただし、値引き交渉を第一の作戦にすることはおすすめしません。理由は3つあります。

  • 仲介手数料は広告費・写真撮影・ポータルサイト掲載・案内対応などの原資です。報酬が下がれば、販売活動の優先度が下がるリスクがあります。
  • 不動産会社の担当者も人間です。値引き交渉から入った売主の物件と、信頼関係を築けた売主の物件では、動き方に差が出ることは否定できません。
  • 金額のインパクトが小さいのです。手数料を10万円削るより、販売戦略の質を上げて売却価格を100万円高くする方が、手取りへの効果は10倍です。

交渉するなら、複数社の査定を取った上で「専任媒介契約と引き換えに」など、不動産会社側にもメリットのある形で切り出すのが現実的です。媒介契約の種類による違いは媒介契約3種類の選び方で解説しています。

「仲介手数料無料」のからくり:両手仲介を知っておきましょう

「売主は仲介手数料無料」をうたう不動産会社があります。からくりを理解しておきましょう。

不動産の仲介では、1社が売主と買主の両方を担当する両手仲介と、売主側・買主側に別々の会社がつく片手仲介があります。仲介手数料の上限は「依頼者の一方につき」定められているため、両手仲介なら不動産会社は売主と買主の双方から手数料を受け取れます。「売主無料」の会社は、買主側から受け取る手数料だけで採算を取るビジネスモデルです。

違法ではありませんし、手数料が浮くこと自体は売主のメリットです。ただし、構造上の注意点があります。

  • 買主から手数料を取るには、その会社が自分で買主を見つける必要があります。このため、他社に物件情報を紹介しない囲い込み(他社からの購入希望を意図的に断る行為)の動機が生まれやすくなります。
  • 囲い込みをされると買主候補の母数が減り、売却が長引いたり、値下げを迫られたりして、浮いた手数料以上に売却価格で損をするおそれがあります。

「無料」の会社を選ぶ場合は、レインズ(不動産会社間の物件情報ネットワーク)への登録証明書を確認する、販売状況の報告を定期的に受けるなど、囲い込みを牽制する行動をセットにしてください。

仲介手数料はいつ払う?税金計算での扱いは?

支払時期は法律で決まっているわけではありませんが、実務では売買契約時に半金、引渡し(決済)時に残り半金という分割が広く行われています。契約時に全額を求められたら、理由を確認してよい場面です。

また、支払った仲介手数料は、売却益にかかる譲渡所得税の計算で譲渡費用として売却価格から差し引けます(出典: 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの)。領収書は確定申告まで必ず保管してください。税金全体の仕組みは不動産売却の税金完全ガイドをご覧ください。

よくある質問

Q. 売買契約が途中で解除になったら、仲介手数料は返ってきますか?

契約の解除理由によります。買主のローン特約(住宅ローンの審査に通らなかった場合に白紙解除できる条項)による解除なら、契約自体が白紙になるため手数料の支払い義務もなくなり、支払済みなら返還を求められるのが一般的です。一方、手付解除や違約解除の場合は、媒介契約の内容により請求されることがあります。媒介契約書の該当条項を事前に確認しておきましょう。

Q. 仲介手数料以外に、広告費などを別途請求されることはありますか?

原則ありません。通常の販売活動にかかる費用は仲介手数料に含まれ、別途請求は認められていません。例外は、売主が特別に依頼した広告(新聞広告の指定など)や遠隔地への出張など、依頼者の特別の依頼にもとづく実費のみです。「事務手数料」「コンサル料」といった名目の上乗せ請求には根拠を確認してください。

Q. 個人間売買なら仲介手数料はかかりませんか?

かかりません。親族間や知人間で直接売買する場合、仲介会社を入れなければ手数料はゼロです。ただし、契約書の作成、境界や権利関係の調査、ローン手続き、引渡しトラブルの対応をすべて自分で行うことになります。取引額が大きい場合や当事者が親族でない場合は、リスクに見合わないことが多いのが実情です。

Q. 消費税は建物にもかかりますか?手数料の消費税と混同しそうです。

個人がマイホームを売る場合、売買代金そのものに消費税はかかりません。消費税がかかるのは仲介手数料などのサービス対価です。「3%+6万円」で計算した金額に10%を掛けたものが、実際に支払う税込手数料になります。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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