費用・税金2026年4月9日

不動産売却の税金 完全ガイド【2026年版】いつ・いくら・どう計算する?税率と特例一覧

不動産売却税金譲渡所得税確定申告税率

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結論:税金は最大4種類。譲渡益が出なければ大きな税金はかかりません

不動産を売却したときにかかる税金は、印紙税・登録免許税・譲渡所得税・住民税の最大4種類です。このうち金額が大きくなり得るのは譲渡所得税と住民税ですが、これらは「売って利益(譲渡益)が出た場合」にしかかかりません。しかもマイホームの売却なら3,000万円特別控除という制度が使えることが多く、実際には税金がほとんどかからない売主が多数派です。

必ずかかるのは、売買契約書に貼る印紙税(売買価格1,000万円超〜5,000万円以下なら1万円)と、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消の登録免許税(不動産1件につき1,000円)だけ。合わせても数千円〜数万円です。

それでも、「税金が怖くて売り出せない」という不安の声は本当に多く聞かれます。この記事では、税金の全体像→計算式→税率→特例→納税時期の順に、2026年時点の制度で一つずつ整理します。


不動産売却でかかる税金の全体像【一覧表】

まず4種類の税金を、かかる条件と支払時期で一覧にします。

税金かかる条件金額の目安支払時期
印紙税売買契約書の作成時に必ず1万円(1,000万円超〜5,000万円以下の契約)売買契約時
登録免許税ローン残債があり抵当権を抹消する場合不動産1件につき1,000円引渡し(決済)時
譲渡所得税(所得税+復興特別所得税)譲渡益が出た場合のみ譲渡益×15.315%(長期の場合)売却翌年の確定申告時
住民税譲渡益が出た場合のみ譲渡益×5%(長期の場合)売却翌年度(6月以降)

印紙税の1万円は租税特別措置法の軽減措置によるもので、2027年3月31日までに作成される契約書に適用されます(出典: 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)。5,000万円超〜1億円以下なら3万円です。

なお、売却に伴う仲介手数料などの「費用」は税金とは別枠です。費用の全体像はマンション売却の諸費用 全一覧で解説しています。

譲渡所得の計算式:3つの数字がわかれば自分で計算できます

譲渡所得税・住民税の対象になる「譲渡所得」は、次の式で計算します(出典: 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税))。

譲渡所得 = 収入金額(売却価格) − 取得費 − 譲渡費用

売却価格そのものではなく、「買ったときの元手」と「売るためにかかった費用」を引いたもうけの部分にだけ課税される、というのが大原則です。3つの数字を順に見ていきます。

収入金額:売買代金+固定資産税の清算金

売買代金に加えて、引渡し時に買主から受け取る固定資産税・都市計画税の清算金も収入金額に含めるのが実務上の扱いです。

取得費:購入代金から建物の減価償却費を引いた金額

取得費には、購入代金のほか、購入時の仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、印紙税などが含まれます(出典: 国税庁 No.3252 取得費となるもの)。ただし建物部分は、所有していた期間の減価償却費(建物の価値の目減り分)を差し引く必要があるため、「買った値段そのまま」ではない点に注意してください。

もう一つ重要なのが、購入時の売買契約書を紛失して取得費を証明できない場合です。このときは概算取得費として売却価格の5%しか認められません。3,000万円で売れた物件なら取得費150万円扱いとなり、譲渡益が一気に膨らみます。売却を考え始めたら、まず購入時の契約書を探すことを強くおすすめします。

譲渡費用:売るために直接かかった費用

売却時の仲介手数料、売主負担の印紙税、土地を売るための建物取壊し費用などが該当します(出典: 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの)。固定資産税や修繕費など「持っている間の維持費」は譲渡費用にならない、と国税庁は明確に線引きしています。

短期譲渡と長期譲渡:「譲渡した年の1月1日」で判定されます

譲渡所得は所有期間によって税率が大きく変わります。所有期間5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得です。

ここで最大の落とし穴が判定基準日です。所有期間は売却日ではなく、譲渡した年の1月1日時点で数えます。たとえば2021年9月に購入した物件を2026年10月に売却すると、カレンダー上は5年1か月所有していますが、2026年1月1日時点では4年4か月なので短期譲渡です。この場合、2027年1月1日以降に売却すれば長期譲渡になり、税率はほぼ半分になります。

「5年過ぎたから大丈夫ですよね」という誤解は非常に多く、数か月売却を待つだけで税額が半減するケースもあります。売却時期の判断材料として、真っ先に確認すべきポイントです。

譲渡所得税・住民税の税率表【2026年版】

税率は次のとおりです。復興特別所得税(所得税額×2.1%。2037年まで)を含めた合計税率で覚えるのが実用的です。

区分所有期間(譲渡年1月1日時点)所得税(復興税込み)住民税合計
短期譲渡所得5年以下30.63%9%39.63%
長期譲渡所得5年超15.315%5%20.315%
10年超所有マイホームの軽減税率(6,000万円以下の部分)10年超10.21%4%14.21%

出典: 国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算

【図表1:譲渡所得税率の比較(短期39.63%・長期20.315%・10年超軽減14.21%)出典:国税庁】

短期と長期で税率は約2倍違います。給与にかかる所得税とは合算されない「分離課税」なので、年収の多い少ないに関係なくこの税率が適用されます。

節税に使える特例一覧:該当すれば税額が激減します

譲渡所得からさらに差し引ける特別控除や、税率を下げる特例があります。主なものを一覧にします。

特例内容主な条件国税庁タックスアンサー
3,000万円特別控除マイホームの譲渡益から最大3,000万円を控除自宅(住まなくなって3年目の年末まで)No.3302
10年超所有の軽減税率6,000万円以下の部分の税率が14.21%に所有10年超のマイホーム。3,000万円控除と併用可No.3305
相続空き家の3,000万円特別控除相続した実家の譲渡益から最大3,000万円を控除昭和56年5月31日以前建築・2027年12月31日までの売却などNo.3306
取得費加算の特例払った相続税の一部を取得費に加算相続開始から約3年10か月以内の売却No.3267
譲渡損失の損益通算・繰越控除売却損を給与所得などと相殺マイホームの買換え、またはオーバーローンでの売却No.3370・No.3390

このうち利用者が圧倒的に多いのは3,000万円特別控除です。詳しい条件と落とし穴は3,000万円特別控除の完全解説を、所有10年超の方は10年超所有の軽減税率をご覧ください。

計算例1:マイホーム売却で譲渡益718万円 → 税額0円

2012年に3,500万円で購入した自宅マンションを、2026年に3,900万円で売却したケースです。

  1. 収入金額: 3,900万円
  2. 取得費: 3,050万円(購入代金3,500万円から建物の減価償却費450万円を差し引いた金額と仮定)
  3. 譲渡費用: 132万円(仲介手数料・印紙税など)
  4. 譲渡所得 = 3,900万円 − 3,050万円 − 132万円 = 718万円
  5. 3,000万円特別控除を適用: 718万円 − 3,000万円 → 課税譲渡所得0円

譲渡益は718万円出ていますが、3,000万円特別控除の範囲内なので譲渡所得税・住民税はかかりません。ただし税額0円でも、控除を使うには確定申告が必要です。

計算例2:投資用マンションを短期譲渡 → 税額約147万円

次は特例が使えないケースです。2023年2月に2,400万円で購入した投資用ワンルームマンションを、2026年10月に2,780万円で売却しました。

  1. 収入金額: 2,780万円
  2. 取得費: 2,310万円(減価償却後と仮定)
  3. 譲渡費用: 98万円
  4. 譲渡所得 = 2,780万円 − 2,310万円 − 98万円 = 372万円
  5. 2026年1月1日時点の所有期間は2年11か月 → 短期譲渡(39.63%)
  6. 税額 = 372万円 × 39.63% = 147万4,236円(所得税111万6,000円+復興特別所得税2万3,436円+住民税33万4,800円)

同じ372万円の譲渡益でも、長期譲渡なら372万円×20.315%=約75万6,000円。あと2年強待てば税額はほぼ半分でした。投資用物件は居住用の特例が使えないため、所有期間の管理がそのまま手取りに直結します。

税金を払うタイミング:売却の翌年に集中します

「いつ払うのか」を時系列で整理します。

  1. 売買契約時: 印紙税(契約書に印紙を貼付)
  2. 引渡し・決済時: 抵当権抹消の登録免許税(司法書士経由で納付)
  3. 売却翌年の2月16日〜3月15日: 確定申告をして譲渡所得税(所得税+復興特別所得税)を納付
  4. 売却翌年度の6月以降: 住民税(給与天引きまたは年4回の普通徴収)

注意したいのは住民税の時間差です。売却した年の翌年6月以降に請求が来るため、売却代金を使い切ってしまうと納税資金が足りなくなることがあります。譲渡益が出そうな方は、税額分を先に取り分けておいてください。

よくある質問

Q. 売却益が出なければ確定申告は不要ですか?

譲渡益が出ておらず特例も使わないなら、申告義務はありません。ただし3,000万円特別控除で税額が0円になる場合は申告が必須です。また売却損が出た場合も、損益通算の特例(詳しくは売却損の税金の記事)を使うなら申告が必要です。

Q. 税金は売却価格に対してかかるのですか?

いいえ。売却価格から取得費と譲渡費用を引いた「譲渡益」にだけかかります。買った値段より安く売れた場合、譲渡所得税・住民税は一切かかりません。

Q. 相続した不動産を売る場合の所有期間はいつから数えますか?

亡くなった方(被相続人)が取得した日から通算できます。親が30年前に買った実家なら、相続直後に売っても長期譲渡です。相続不動産の税金は特例の選び方で大きく変わるため、別記事で詳しく解説しています。

Q. 消費税はかかりますか?

個人がマイホームや相続した不動産を売る場合、建物・土地とも消費税はかかりません。仲介手数料などのサービス料金には消費税がかかります。

Q. 税額を正確に知りたいときは誰に相談すればいいですか?

税額は取得費の証明資料や特例の適用可否など個別の事情で大きく変わるため、最終的には税務署または税理士にご確認ください。この記事の数字はあくまで一般的な試算です。


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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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