費用・税金2026年3月31日

不動産売却にかかる費用の全リスト【2026年版】相場と支払時期

不動産売却費用測量費解体費仲介手数料

最終更新:

結論:費用の合計は売却価格の4〜6%が目安。ただし土地・戸建ては上振れに注意

不動産売却にかかる費用の合計は、売却価格の4〜6%程度が目安です。2,000万円の売却なら80万〜120万円前後。内訳でもっとも大きいのは仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税が上限)で、費用全体の7割前後を占めます。

ただし、この「4〜6%」はどの物件でも同じではありません。マンションはこの範囲に収まりやすい一方、土地は測量費(40万〜80万円程度)、古い戸建ては解体費(木造30坪で120万〜180万円程度)が上乗せされることがあり、費用率が10%を超えるケースもあります。土地や実家の売却では「測量にこんなにかかるとは思わなかった」という声が本当に多く聞かれます。

この記事では、マンション・戸建て・土地すべてに共通する費用と、物件種別ごとに追加でかかる費用を、相場・支払時期つきの全リストで整理します。マンションに絞った詳しい解説はマンション売却の諸費用 全一覧をご覧ください。


不動産売却の費用 全リスト(共通費用)

まず、物件の種類を問わず、ほぼすべての売却で発生する費用です。

項目相場支払時期
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(400万円超の上限)契約時と引渡時に半金ずつが多い
印紙税1万円(売買価格1,000万円超〜5,000万円以下)売買契約時
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円引渡時(決済時)
司法書士報酬(抵当権抹消)1〜2万円程度引渡時(決済時)
ローン一括返済手数料数千円〜数万円(金融機関による)引渡時(決済時)
譲渡所得税・住民税売却益が出た場合のみ(長期20.315%・短期39.63%)売却翌年の確定申告後

仲介手数料は宅建業法で上限が定められており、たとえば2,000万円の売却なら2,000万円×3%+6万円=66万円、税込72万6,000円です。なお800万円以下の物件は「低廉な空家等の特例」(2024年7月施行の国土交通省告示改正)により上限が最大30万円+税となります。計算式の仕組みや値引き交渉の実情は仲介手数料の計算式・上限・値引き交渉の全知識で詳しく解説しています。

印紙税は売買契約書に貼る税金で、2027年3月31日までに作成される契約書には軽減税率が適用されます。売買価格1,000万円超〜5,000万円以下で1万円、5,000万円超〜1億円以下で3万円です(出典: 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)。

譲渡所得税・住民税は「売却益が出た場合だけ」かかる税金です。マイホームなら3,000万円特別控除で0円になるケースが多い一方、相続した土地や投資用物件では高額になることがあります。後半の計算例で実際の金額をお見せします。

土地の売却で追加になる費用:測量費・境界確定費用

土地(および戸建ての敷地)の売却では、確定測量費が最大の追加費用です。

確定測量とは、隣地所有者や道路管理者(市区町村など)の立ち会いのもとで境界を確定させ、正確な面積を測る作業です。土地家屋調査士に依頼し、相場は40万〜80万円程度。隣地の数が多い、道路との境界確定(官民査定)が必要、隣地所有者と連絡が取れない、といった事情があると100万円を超えることもあります。期間も3〜6か月かかるのが普通で、売却スケジュール全体を左右します。

境界が確定していない土地は、買主にとって「面積が正しいか分からない」「将来隣地とトラブルになるかもしれない」というリスクを抱えた商品です。そのため実務では、売主の負担で確定測量を行ってから引き渡す契約が一般的です。逆に、法務局に地積測量図(境界の根拠となる図面)が備わっていて境界標も現地に残っている土地なら、測量を省略できる場合もあります。売却を考え始めたら、まず権利証や過去の測量図が手元にあるかを確認してください。

古い戸建てで検討する費用:解体費

建物が古く、そのままでは買い手がつきにくい戸建てでは、建物を解体して更地(建物のない土地)として売る選択肢があります。解体費の相場は構造で変わります。

構造坪単価の目安30坪の場合
木造4万〜6万円120万〜180万円
鉄骨造6万〜8万円180万〜240万円
鉄筋コンクリート造7万〜10万円210万〜300万円
【図表1:構造別の解体費用目安(木造120万〜180万円・鉄骨造180万〜240万円・RC造210万〜300万円/30坪)出典:URUMAE調べ】

ただし、解体は「必ずやるべき」ものではありません。古家付き土地(古い建物をそのまま残した土地)として売れば解体費は買主負担にできますし、買主がリフォーム前提で建物を欲しがるケースもあります。解体してしまうと固定資産税の住宅用地特例(土地の税額が最大6分の1に軽減される制度)が外れて翌年の固定資産税が上がる点にも注意が必要です。解体するかどうかは、不動産会社に「このエリアでは更地と古家付きのどちらが売りやすいか」を確認してから決めることをおすすめします。

なお、売るために行った解体の費用は、税金計算上の譲渡費用(売却益から差し引ける経費)にできる場合があります(出典: 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの)。領収書は必ず保管してください。

状況によってかかる費用(全物件共通)

必須ではないものの、状況に応じて発生する費用です。

  • ハウスクリーニング:3万〜10万円程度。内覧の印象対策として任意で実施
  • 引越し費用:数万〜数十万円。住み替えで仮住まいを挟む場合は2回分
  • 不用品・残置物の処分:数万〜30万円程度。相続した実家では大きくなりやすい
  • 住所変更登記・氏名変更登記:登録免許税が不動産1個につき1,000円+司法書士報酬1万円前後。登記上の住所と現住所が異なる場合に必要
  • 契約不適合責任への備え(建物状況調査など):5万〜7万円程度。任意だが戸建てではトラブル予防効果が大きい
  • 税理士報酬(確定申告を依頼する場合):5万〜15万円程度

計算例:相続した土地を1,800万円で売却した場合

費用が上振れしやすい典型例として、相続した土地(取得費不明・測量が必要)を1,800万円で売却するケースを計算します。

項目金額
売却価格18,000,000円
仲介手数料(1,800万円×3%+6万円、税込)−660,000円
印紙税−10,000円
確定測量費−600,000円
譲渡所得税・住民税(下記参照)−3,215,000円
手元に残る金額13,515,000円

このケースの税金を計算してみます。親が何十年も前に買った土地で購入時の契約書が見つからない場合、取得費は「概算取得費」として売却価格の5%=90万円しか認められません(出典: 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき)。譲渡費用は仲介手数料66万円+印紙税1万円+測量費60万円=127万円。譲渡所得は1,800万円−90万円−127万円=1,583万円となり、長期譲渡の税率20.315%を掛けると税額は約321万5,000円です。

つまりこの例では、費用と税金の合計が約448万5,000円、売却価格の約25%にもなります。「費用は4〜6%」という目安が、取得費不明の土地では通用しないことがお分かりいただけると思います。逆に言えば、購入時の契約書を探し出して実際の取得費で計算できれば、税額を大幅に減らせる可能性があります。節税の具体策は手取りを増やす5つの節税テクニックにまとめました。

費用を抑える3つのポイント

  1. 測量・解体は相見積もりを取る。土地家屋調査士や解体業者の見積もりは数十万円単位で差が出ることがあります。不動産会社経由の紹介1社だけで決めず、2〜3社比較してください。
  2. 購入時の資料を先に探す。売買契約書・領収書が見つかるかどうかで税金が数百万円変わることがあります。費用の節約効果としては最大級です。
  3. 不要な先行投資をしない。売り出し前の大規模リフォームは、かけた費用ほど価格に上乗せできないことが多く、原則おすすめしません。クリーニングや片付けなど低コストの範囲にとどめ、まず不動産会社に相談を。

よくある質問

Q. 費用は売却代金から差し引いてもらえますか?

仲介手数料の残金・登記費用・ローン返済は引渡し(決済)の場で売却代金から精算するのが実務の通例です。ただし測量費や解体費は引渡し前に発生するため、先に手元資金で支払う必要があります。手元資金が少ない場合は、支払時期を不動産会社に早めに相談してください。

Q. 売却で損が出た場合も費用はかかりますか?

かかります。仲介手数料や印紙税などの費用は、売却益の有無に関係なく発生します。損が出た場合にかからないのは譲渡所得税・住民税だけです。

Q. 買主から受け取れるお金はありますか?

あります。固定資産税・都市計画税の日割り清算金は買主から受け取るのが通例です。売却代金とは別に数万円程度が加算されるイメージです。

Q. 手取り額を簡単に計算する方法はありますか?

URUMAEの売却手取り計算ツールなら、売却価格とローン残債を入れるだけで費用を自動計算できます。計算の仕組みから理解したい方は手取り額の計算方法【計算例つき】をご覧ください。


売る前に、手取り額を知っておきませんか

不動産売却は、売る前の準備で決まります。URUMAEの無料ツールなら、査定前に自分で概算をつかめます。

※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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