費用・税金

不動産売却の費用は価格の4〜6%。土地と古い戸建ては測量・解体で10%超も

不動産会社のカウンターで銀行の封筒を差し出す売主の手元をペン画と淡い水彩で描いたイラスト

結論:費用の合計は売却価格の4〜6%。ただし土地と古い戸建ては10%を超えることがある

「売却にかかるのは仲介手数料くらいのはず」。多くの人が最初にそう考えます。ところが土地は測量費が40万〜80万円、古い戸建ては解体費が120万〜180万円ほど上乗せされることがあります。

だから、先に物件の種類ごとの費用を知っておくことが大切です。費用の合計は売却価格の4〜6%程度が目安で、2,000万円の売却なら80万〜120万円前後です。

この記事では、どの物件でもかかる費用と、土地・戸建てで増える費用を、相場と支払時期つきで整理します。マンションに絞った解説はマンション売却の諸費用 全一覧をご覧ください。

どの物件でもかかる費用は、仲介手数料が7割前後を占める

まず、物件の種類を問わず、ほぼすべての売却で発生する費用です。

項目相場支払時期
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(400万円超の上限)契約時と引渡時に半金ずつが多い
印紙税1万円(売買価格1,000万円超〜5,000万円以下)売買契約時
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円引渡時(決済時)
司法書士報酬(抵当権抹消)1〜2万円程度引渡時(決済時)
ローン一括返済手数料数千円〜数万円(金融機関による)引渡時(決済時)
譲渡所得税・住民税売却益が出た場合のみ(長期20.315%・短期39.63%)売却翌年の確定申告後

もっとも大きいのは仲介手数料で、上限は宅建業法で決まっています。たとえば2,000万円なら2,000万円×3%+6万円=66万円、税込72万6,000円です。なお800万円以下の物件は「低廉な空家等の特例」(2024年7月施行の国土交通省告示改正)により、上限が最大30万円+税となります。

印紙税は売買契約書に貼る税金です。2027年3月31日までの契約書は軽減税率で、1,000万円超〜5,000万円以下なら1万円、5,000万円超〜1億円以下なら3万円です(出典: 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)。

一方、譲渡所得税・住民税は売却益が出たときだけかかります。マイホームなら3,000万円特別控除で0円になることが多いです。3,000万円のマンションでの具体的な金額は3,000万円のマンションを売ると手取りはいくら?で計算しています。

土地は確定測量費40万〜80万円が上乗せされ、期間も3〜6か月かかる

土地や戸建ての敷地では、確定測量費が最大の追加費用です。確定測量とは、隣地や道路の管理者の立ち会いで境界を確定させ、正確な面積を測る作業です。

依頼先は土地家屋調査士で、相場は40万〜80万円程度です。ただし、隣地が多い、道路との境界確定(官民査定)が必要、隣地の所有者と連絡が取れないといった事情があると、100万円を超えることもあります。

というのも、境界が決まっていない土地は、買主から見ると面積もトラブルの有無も分からない商品です。そのため実務では、売主の負担で測量してから引き渡す契約が多くなります。期間も3〜6か月かかるので、売却の日程全体を左右します。

とはいえ、法務局に地積測量図(境界の根拠となる図面)があり、境界標も現地に残っていれば、測量を省ける場合があります。つまり、売ると決めたら最初に過去の測量図と権利証を探すのが近道です。

古い戸建ての解体費は木造30坪で120万〜180万円。解体しない選択肢もある

建物が古く、そのままでは買い手がつきにくい戸建てでは、解体して更地(建物のない土地)で売る方法があります。解体費の相場は構造で変わります。

構造坪単価の目安30坪の場合
木造4万〜6万円120万〜180万円
鉄骨造6万〜8万円180万〜240万円
鉄筋コンクリート造7万〜10万円210万〜300万円

ただし、解体は必須ではありません。古家付き土地として売れば解体費は買主の負担にできますし、建物をリフォームして使いたい買主もいます。

また、解体すると固定資産税の住宅用地特例(土地の税額が最大6分の1になる制度)が外れ、翌年の税額が上がります。なので、「この地域では更地と古家付きのどちらが売りやすいか」を不動産会社に聞いてから決めてください。

なお、売るための解体費は、税金計算で譲渡費用(売却益から引ける経費)にできる場合があります(出典: 国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの)。

そのほか、ハウスクリーニング3万〜10万円、残置物の処分数万〜30万円なども状況に応じてかかります。

【注意】取得費が分からない相続した土地は、費用と税金で売却価格の約25%になる

「費用は4〜6%」という目安が通用しないのが、取得費(買ったときの代金)が分からない土地です。相続した土地を1,800万円で売り、測量も必要なケースで計算します。

項目金額
売却価格18,000,000円
仲介手数料(1,800万円×3%+6万円、税込)−660,000円
印紙税−10,000円
確定測量費−600,000円
譲渡所得税・住民税(下記参照)−3,215,000円
手元に残る金額13,515,000円

購入時の契約書がないと、取得費は売却価格の5%=90万円しか認められません(出典: 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき)。譲渡費用は66万円+1万円+60万円=127万円です。

結果、譲渡所得は1,800万円−90万円−127万円=1,583万円です。長期の税率20.315%を掛けると、税額は約321万5,000円になります。

つまり、費用と税金の合計は約448万5,000円で、売却価格の約25%です。逆に、購入時の契約書が見つかれば税額が大きく下がる可能性があります。個別の税額は税理士か税務署で確かめてください。相続した実家で先に確認することは相続した実家を売る前に確認する3つのことにまとめました。

まとめ:測量・解体・購入時の資料の3つを先に動かせば、費用は読める

ということで、マンションなら4〜6%で見積もってよく、土地や古い戸建てなら測量と解体の分を足して考えます。

費用の差は、売り出す前の準備で決まります

今日できることは3つです。1つめは、過去の測量図と権利証を探すこと。2つめは、購入時の売買契約書と領収書を探すこと。3つめは、測量や解体を2〜3社で見積もることです。

続けて読むなら、手取り額の計算方法【計算例つき】です。

よくある質問

Q. 費用は売却代金から差し引いてもらえますか?

仲介手数料の残金・登記費用・ローン返済は引渡し(決済)の場で売却代金から精算するのが実務の通例です。ただし測量費や解体費は引渡し前に発生するため、先に手元資金で支払う必要があります。手元資金が少ない場合は、支払時期を不動産会社に早めに相談してください。

Q. 売却で損が出た場合も費用はかかりますか?

かかります。仲介手数料や印紙税などの費用は、売却益の有無に関係なく発生します。損が出た場合にかからないのは譲渡所得税・住民税だけです。

Q. 買主から受け取れるお金はありますか?

あります。固定資産税・都市計画税の日割り清算金は買主から受け取るのが通例です。売却代金とは別に数万円程度が加算されるイメージです。

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本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

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※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

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