費用・税金2026年3月29日

不動産を売ったらいくら手元に残る?手取り額の計算方法【計算例つき】

手取り計算不動産売却仲介手数料譲渡所得税ローン残債

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結論:手取り=売却価格−仲介手数料−諸費用−税金−ローン残債です

不動産を売ったとき、手元に残るお金は次の式で計算できます。

手取り額 = 売却価格 − 仲介手数料 − 諸費用 − 税金 − ローン残債

ローンを完済済みで、税金がかからないケース(マイホーム売却の多く)なら、手取りは売却価格の約96%前後です。3,000万円で売れたら、手元に残るのはおよそ2,893万円。一方、ローン残債(住宅ローンの残り)がある場合は、そこからさらに残債分が引かれます。

実際の売却では、査定額と手取り額を同じものと考えたまま話を進めて、あとから「思ったより残らない」と戸惑うケースが少なくありません。この記事では、式の中身を1つずつ分解し、実際の数字で2パターンの計算例をお見せします。読み終わる頃には、ご自身の物件でも同じ計算ができるようになります。

なお、URUMAEの売却手取り計算ツールを使えば、この記事の計算をそのまま自動で行えます。先に概算だけ知りたい方は、売却価格とローン残債を入力してみてください。


手取り額を減らす4つの項目

売却価格から引かれるものは、大きく4つに分かれます。

項目金額の目安かかる人
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の上限)不動産会社に仲介を依頼した全員
諸費用(印紙税・登記・その他)数万円程度ほぼ全員
税金(譲渡所得税・住民税)売却益×20.315%など。0円の人も多い売却益が出て特例も使えない人
ローン残債金融機関の残高証明で確認ローンが残っている人

このうち金額のブレが大きいのは税金とローン残債です。仲介手数料と諸費用は計算式でほぼ確定します。

仲介手数料は、宅建業法で上限が決まっており、売却価格が400万円を超える場合は「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限です(2024年7月からは、800万円以下の物件に限り、依頼者の事前の合意を条件に30万円+消費税まで受け取れる特例があります。出典: 国土交通省 不動産取引に関するお知らせ)。詳しい仕組みは仲介手数料の計算式・上限・値引き交渉の全知識で解説しています。

諸費用の内訳は、売買契約書の印紙税(1,000万円超〜5,000万円以下なら1万円。出典: 国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)、ローンが残っている場合の抵当権抹消登記(登録免許税と司法書士報酬で2万円前後)、金融機関の繰上返済手数料(数千円〜数万円)などです。費用の全リストは不動産売却にかかる費用の全リストにまとめています。

税金は「売却益が出たかどうか」で決まります。売却価格そのものではなく、買ったときより高く売れた利益部分にだけかかる点が重要です。後半で詳しく説明します。

ローン残債は費用ではありませんが、引渡し時に売却代金から一括返済するのが通常なので、手取りの計算では必ず引きます。金額は金融機関の残高証明書やインターネットバンキングで確認できます。

計算例1:3,000万円のマンションを売った場合(ローン完済済み)

まずはシンプルなケースです。20年前に購入したマイホームのマンションを3,000万円で売却、ローンは完済済みとします。

項目金額
売却価格30,000,000円
仲介手数料(3%+6万円、税込)−1,056,000円
印紙税−10,000円
抵当権抹消費用0円(ローン完済・抵当権抹消済みのため)
譲渡所得税・住民税0円(3,000万円特別控除を適用)
手取り額28,934,000円

仲介手数料は3,000万円×3%+6万円=96万円、消費税10%を足して105万6,000円です。マイホームの売却では、要件を満たせば譲渡益から最大3,000万円を差し引ける特別控除(出典: 国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)が使えるため、このケースでは税金は0円。手取りは約2,893万円、売却価格の約96.4%になります。

【図表1:3,000万円で売却した場合の手取り内訳(手取り2,893万円・仲介手数料105.6万円・印紙税1万円)出典:URUMAE試算】

計算例2:ローン残債ありの戸建てを売った場合

次に、多くの方に当てはまる「住宅ローンが残っている住み替え」のケースです。10年前に3,200万円で購入した戸建て(土地1筆・建物1棟)を2,500万円で売却、ローン残債は1,800万円とします。

項目金額
売却価格25,000,000円
仲介手数料(3%+6万円、税込)−891,000円
印紙税−10,000円
抵当権抹消の登録免許税(2件分)−2,000円
司法書士報酬−15,000円
ローン繰上返済手数料−30,000円
譲渡所得税・住民税0円(購入時より安く売れたため売却益なし)
ローン残債の一括返済−18,000,000円
手取り額6,052,000円

仲介手数料は2,500万円×3%+6万円=81万円、税込89万1,000円。購入価格より安く売れているので売却益はなく、税金はかかりません。ローンが残っている物件には金融機関の抵当権(ローンの担保として設定される権利)が付いているため、引渡し時に抹消登記が必要です。登録免許税は不動産1個につき1,000円で、土地と建物で2,000円になります。

結果、手取りは約605万円。売却価格2,500万円の4分の1以下です。このケースで大事なのは、手取りがマイナスにならないか(残債を完済できるか)を売り出し前に確認しておくことです。もし査定額が残債を下回りそうなら、売り出し価格の設定や売却時期の戦略が変わってきます。

税金がかかるのはどんな場合?計算のしかたと税率

税金(譲渡所得税・住民税)は、次の式で計算した「譲渡所得」がプラスのときだけかかります。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費(買ったときの価格など) − 譲渡費用(仲介手数料など)

建物は使った年数分の価値の減少(減価償却)を差し引くため、取得費は購入価格より小さくなる点にご注意ください。税率は所有期間で大きく変わります。

区分所有期間税率(所得税・住民税・復興特別所得税の合計)
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超20.315%

(出典: 国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算

所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定される点に注意が必要です。実際に住んだ年数と1年近くずれることがあります。

そして、マイホームの売却なら前述の3,000万円特別控除により、譲渡所得が3,000万円以下なら税金は0円です。ただし、控除を使って税額が0円になる場合でも確定申告は必要です。この点は不動産売却後の確定申告は必要?不要?で詳しく解説しています。税金を減らす方法をまとめて知りたい方は手取りを増やす5つの節税テクニックもご覧ください。

手取りはいつ入ってくる?入金のタイミングも知っておきましょう

意外と知られていませんが、売却代金は一括では入金されません。通常は2回に分かれます。

  1. 売買契約時:手付金(売買代金の5〜10%程度が相場)を受け取る
  2. 引渡し・決済時:残代金を受け取り、その場でローン残債の返済・登記費用の支払いを行う

つまり、契約から引渡しまでの1〜3か月間は、手付金以外のお金はまだ手元にありません。住み替え先の購入資金に売却代金を充てる予定の方は、この時間差を資金計画に織り込んでおく必要があります。

また、細かい点ですが、固定資産税・都市計画税は引渡日を基準に日割り清算するのが実務の通例で、買主から清算金を受け取れるため、手取りは計算よりわずかに増えるのが一般的です。マンションなら管理費・修繕積立金も同様に清算します。

自分の物件で試算するなら:3分でできる手取り計算ツール

ここまでの計算を手作業でやると、仲介手数料の消費税や税率の判定などで意外と間違えやすいものです。URUMAEの売却手取り計算ツールは、売却価格とローン残債を入力するだけで、仲介手数料・印紙税・抵当権抹消費用を自動計算し、手取り額の目安を表示します。無料・登録不要で、査定を申し込む前にご自身だけで確認できます。

売却するかどうか迷っている段階こそ、手取り額を先に知っておく価値があります。「この金額なら住み替えできる」「残債が消えないから今は売らない」といった判断の土台になるからです。

よくある質問

Q. 査定額がそのまま手取りになりますか?

なりません。査定額は「売れるであろう価格」の予想で、そこから仲介手数料・諸費用・税金・ローン残債が引かれた金額が手取りです。ローンなし・税金なしのケースでも、手取りは売却価格の96%前後と考えておくと安全です。

Q. ローン残債が売却価格より多い場合はどうなりますか?

残債を完済できないと、原則として抵当権を抹消できず売却できません。不足分を自己資金で補うか、住み替えローン(残債を新居のローンに上乗せする借り方)などを検討することになります。まずは残高証明書と査定額を並べて、差額を正確に把握することが第一歩です。

Q. 税金が0円になる人が多いというのは本当ですか?

マイホームの売却では本当に多いです。3,000万円特別控除により、譲渡益が3,000万円以下なら税額は0円になるためです。ただし所有期間が短い場合や、住んでいない物件(相続した実家・投資用物件など)の売却では控除が使えず、課税されるケースが増えます。

Q. 手取り額の計算は売却のどの段階でやるべきですか?

査定を申し込む前をおすすめします。手取りの概算が先にあれば、査定額を見たときに「この金額で売って目的を達成できるか」をその場で判断でき、不動産会社との話も具体的に進められるからです。


売る前に、手取り額を知っておきませんか

不動産売却は、売る前の準備で決まります。URUMAEの無料ツールなら、査定前に自分で概算をつかめます。

※税額は個別の事情で変わります。最終判断は税理士・税務署にご確認ください。

この記事について

本記事は、不動産売却情報メディア URUMAE 編集部が公表されている制度・法令に基づいて執筆・編集しています。 制度・税率は執筆時点の情報です。個別の税務相談は税理士にご相談ください。

運営者は宅地建物取引士。不動産業界での実務経験15年。

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